研究課題/領域番号 |
09J05984
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
通信・ネットワーク工学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
葛西 恵介 東北大学, 電気通信研究所, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2009 – 2011
|
研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2011年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2010年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2009年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | コヒーレント光伝送 / QAM / 周波数利用効率 / ファイバレーザ / 半導体レーザ / 周波数安定化 / OTDM |
研究概要 |
本研究は高密度に多重化された光キャリヤの一本一本を256以上の多値QAM変調することにより、10bit/s/Hz以上の高い周波数利用効率を有する大容量コヒーレント伝送の実現を目的としている。本年度(平成23年度)はまず初年度からの継続課題として、低強度雑音・低位相雑音特性を有するコヒーレント伝送用周波数安定化光源の開発に取り組んだ。また、従来の多値コヒーレント伝送システムにOFDM方式を適用し、マルチキャリヤコヒーレント伝送実験を行った。さらに発展課題として、今後の伝送容量のさらなる増大を念頭に、RZ-CW変換法を用いたコヒーレントOTDM(Optical Time Division Multiplexing)-RZ/QAM伝送に取り組んだ。以下にその具体的な研究成果示す。 光源開発においては、高出力(50mW)、狭線幅、低RIN特性を有する導波路リング共振器型LDの発振周波数をアセチレン分子吸収線へ安定化し、無変調出力型周波数安定化LDの開発に成功した。本成果は、従来は出力10mW程度であった周波数安定化光源を50mWという高出力型のレーザで実現した点である。多値度の大きな変調信号を正確に復調するためには信号S/Nを大きく保つ必要があるため、このような高出力型のコヒーレント光源は将来の超多値コヒーレント伝送では大変重要である。マルチキャリヤ伝送においては、光変調器によって生成した10本の光キャリヤを2.5Gsymbol/s,256QAM-OFDM変調し、トータル400Gbit/sのデータ信号を400kmコヒーレント伝送することに成功した。本伝送においては周波数利用効率14bit/s/Hzを達成している。これまでこのような高い周波数利用効率伝送を実現した例はなく、本伝送技術が世界的に見ても非常に優れていることを示す成果である。発展的課題として行ったコヒーレントOTDM-RZ/QAM伝送では、受信部でS/Nの高い状態でデータ復調を実現するRZ-CW変換法を新たに提案し、これを用いた単一チャネル800Gbit/sデータの(偏波多重、10Gsymbol/s,8-OTDM,32QAM)225km伝送に成功した。本成果は近い将来の100Gbit/sを越える大容量伝送を実現するための有望な伝送方式の一つとして提案するものである。
|