研究課題
特別研究員奨励費
本研究では、GFPでラベルしたRubiscoを発現するシロイヌナズナ形質転換体を利用した定量的マクロイメージングにより、老化時にRubisco量が減少しない変異体「stay-Rubisco mutant」を単離し、原因遺伝子を同定することを目的としている。今年度は、これまで獲得したstay-Rubisco mutant候補系統に対し、SDS-PAGEによる葉内Rubisco量の定量、および葉の老化の指標となるクロロフィル含量の定量、とを行うことで詳細な表現型解析を行った。その結果、昨年度にRubisco分解が遅延することを確認していた2系統は、Rubisco分解特異的ではなく葉の老化全体が遅れている変異体であることが確認された。一方、未解析であったstay-Rubisco mutant候補系統の戻し交配F3世代において両定量解析を進めた結果、野生体の葉では成熟期の約25%までRubiscoが減少する老化期においても、Rubisco量が野生体の約2倍残存している系統を3系統、4.9倍残存している系統を1系統、新たに単離した。特に後者の1系統についてはクロロフィルの減少度合に比べてRubiscoの減少が明らかに遅延しており、Rubisco特異的に減少が抑制されている変異体であった。このような変異体が単離された例はこれまでなく、本研究において、Rubisco分解機構の解明における極めて重要な進展があったと言える。
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