研究課題/領域番号 |
09J06720
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
印度哲学・仏教学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
土屋 太祐 早稲田大学, 文学学術院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2009年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 禅宗 / 宋代 / 雲門宗 / 仏教 / 作用即性 / 契嵩 / 中国 |
研究概要 |
1.「顧視」の思想に関する資料の整理。 (目的)北宋時代における禅思想の展開過程を理解するため、北宋初期に現れた「顧視」の思想を考察する。 (方法)『林間録』に三条の関係資料が見られる。これを中心にこれまで得られた資料を再構成する。 (成果)『林間録』には「顧視」に関する資料が三条、ばらばらに存在している。しかし、関係資料を対照してみると、この三条の資料が同一の思想現象を記録していることが分かる。これらを考察すると、宋の早い時期に「顧視」の思想と呼ぶべき一種の思想傾向が禅林に流行していたことが分かる。その内容は唐代の「作用即性」説に類似し、それをさらに通俗化させたようなものであることが分かる。この思想は雲門宗の思想の影響を受けて現れている。ただし、決して雲門宗主流派の思想を代表するものではなく、一般修行僧の中に流行した、通俗的思想であり、後の主流的禅僧はこのような思想傾向を批判している。ここから、これまで研究が不十分であった北宋初期の思想動向と、その後の禅思想の展開の思想的背景を理解することができる。 2.契嵩の宋代思想史における位置づけについて。 (目的)契嵩および禅儒の思想的関係を考察し、禅思想の宋代思想史における位置づけを探る。 (方法)まず契嵩の文集を調査し、これを当時の禅宗および儒学の思想と比較する。 (成果)私は、これまでの研究で、契嵩と黄龍慧南以降の思想を同じ段階に属するものと考えていたが、両者の間には実践論において大きな差異があることが分かった。また、実践論は道学形成期においても重要な問題の一つとなっている。実践論を軸に禅儒の思想的展開を追うことによって、両者の関係性がより正確に理解されると考えられる。
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