研究課題/領域番号 |
09J06771
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
スポーツ科学
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研究機関 | 独立行政法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
水野 正樹 独立行政法人国立循環器病研究センター, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2010年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2009年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 心不全 / 高血圧 / 運動 / 自律神経 / 運動昇圧反射 / 筋代謝受容器反射 / 筋機械受容器反射 / 活性酸素 |
研究概要 |
高血圧は心不全のリスクファクタである。高血圧の治療戦略として運動療法が有効である。運動療法は一定の治療効果が期待できる一方で、高血圧患者が運動を行う際には、健常人と比較して、過度な循環応答が惹起されるという問題が報告されている。運動時における骨格筋からの感覚情報は循環中枢である延髄弧束核(NTS)に投射される。NTSでの神経活動は-酸化窒素(NO)、NO合成酵素(NOS)によって調節されている。また、NTSにおけるNO動態は病態において活性される活性酸素種(ROS)によって修飾を受ける。そこで、本年度は、高血圧患者に観察される運動に対する過度な循環応答が、NTSにおけるNO、NOS、およびROSによる修飾の変化によって惹起されるという作業仮説を検証することを目的とし、安全な運動療法の開発を目指した。 まず、高血圧患者における過度な循環応答が、運動昇圧反射を介した交感神経活動の過剰亢進によって惹起されるという仮説を検証した。除脳した高血圧ラット(SHR)と正常血圧ラット(WKY)を対象に、静的筋収縮した際の血圧応答、および腎臓交感神経活動(RSNA)を記録した。その結果、SHRにおける血圧反応はWKYと比較して有意に高値を示した。また、SHRにおけるRSNAの増大もWKYと比較して高値を示した。次に、RSNAを介した過剰な循環応答が、NTSにおけるROSによって調節されているという仮説を検証した。下腿三頭筋へのカプサイシン局所投与に対する血圧応答に及ぼすROS除去剤tempolのNTSへの微量投与の影響を検討した。その結果、SHRにおいて、tempol投与後における血圧応答は減弱した。この結果は、高血圧患者に観察される過剰な循環応答に、NTSにおけるROSが関与している可能性を示唆する。
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