研究課題/領域番号 |
09J06819
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松井 弘之 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 有機電界効果トランジスタ / 有機半導体 / 電子スピン共鳴 |
研究概要 |
有機電界効果トランジスタに関するミクロなキャリアダイナミクスからマクロな電気伝導特性までの総合的な理解を目的とし、下記の3項目に渡って研究を実施した。 1.グレイン内-グレイン間のキャリアダイナミクスの分離に関する電界誘起電子スピン共鳴(FESR)研究 有機電界効果トランジスタの半導体チャネル層は、多くの場合に多結晶性薄膜からなる。このとき微結晶間界面では電子移動が起こりにくく、トランジスタ特性を低下させると予想される。そこでFESRによって微結晶間のキャリアの移動頻度を評価する方法を新たに開発し、測定・解析を行った。その結果、FESRによって測定した微結晶間のキャリア移動頻度は電気的に測定した移動度と強く相関し、この結果からトランジスタの性能の律速要因が微結晶間界面のキャリア移動過程にあることが結論された。同時に、微結晶内のキャリア移動度は測定値よりも1桁前後高いことが示唆された。 2.不純物を含む有機電界効果トランジスタのFESR研究 電荷輸送を妨げる要因の1つに半導体中の不純物がある。FESR法では異なる分子種の場合にESR信号が異なる位置に観測されることを利用して、キャリアが不純物分子にトラップされていることの実験的観測に成功した。さらに不純物分子の濃度、配向状態、トランジスタ特性への影響について詳細に調べた。 3.イオン液体を用いた有機電界効果トランジスタのFESR研究 イオン液体を用いた電気二重層トランジスタを作製してFESR測定することにより、有機半導体中に高密度に蓄積されたキャリアの様子を調べた。その結果、キャリア密度は単純なキャパシタンスからの計算値とは一致せず、材料によって大きく異なることが分かった。
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