研究課題/領域番号 |
09J07245
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
丹下 将克 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノチューブ応用研究センター, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2009年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / ペリレン / 自己束縛状態 / エキシマー / 分子閉じ込め / 自己組織化 / 励起子-フォノン相互作用 / ストークス・シフト |
研究概要 |
本年度は、直径の大きなカーボンナノチューブ(CNT)に対する構造選別方法の確立と、芳香族化合物をCNTの内側に閉じ込めることによる機能発現に関して、研究を遂行した。 構造選別に関しては、1.3nmよりも大きな直径のCNTでは、有効な方法が現在存在しない。そこで、本研究では、ポリフルオレン系高分子とCNTとの相互作用の強さを利用したポリマーラッピングを利用して、大きな直径のCNTに対しても構造選別が可能な高分子を探索した。その結果、1.3nm以上の直径のCNTでは初めて、市販のCNT混合試料から特定の半導体的CNTを抽出することに成功した。市販の試料には、様々な構造の金属的CNTや半導体的CNTが含まれている。したがって、本研究成果により、`直径の大きなCNTでも特定の電気的特性を持ったCNTを市販の試料から抽出することが可能となり、CNTのデバイス応用を加速させる。 有機分子内包CNTによる機能発現に関しては、ペリレンと呼ばれる蛍光物質を内包させることで、CNTの直径に依存して、ペリレンの配列構造が変化することを見出した。この構造変化によってペリレンの発光スペクトルも変化し、特に、孤立した2量体構造のペリレンでは、ペリレン結晶やペリレンダイマーとは明らかに異なる発光を示した。ペリレン結晶やペリレンダイマーは、低温でY(Yellow)発光を示し、50K以上の高温ではE(Excimer)発光を示すことが知られているが、ペリレン内包CNTにおける孤立した2量体構造のペリレンでは、室温でY発光が起こることが分かった。本結果は、これまで報告されているペリレン2量体構造の発光特性とは異なり、現在でも解明されれていないY発光の起源に対して、新たな知見を与える。
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