研究課題/領域番号 |
09J07559
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 東京大学 (2010-2011) 大阪大学 (2009) |
研究代表者 |
浅田 直之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2011年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2010年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2009年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 大脳新皮質 / 神経細胞 / 成熟 / LKB1 / 樹状突起 / 軸索 / 神経細胞移動 / 中心体 / GSK3β / APC / 微小管 / 神経発生 / 神経分化 |
研究概要 |
大脳新皮質の発生過程において、神経細胞は(1)情報の入力を担う樹状突起、および(2)情報の出力を担う軸索を形成し、成熟する。このような神経細胞の成熟は、正しい神経ネットワークの構築に必須であり、正常な脳機能の発現・維持に必要不可欠である。従来、神経細胞の成熟メカニズムの解析には、分散培養が広く用いられてきた。しかし近年、分散培養条件下と大脳新皮質内とでは、神経細胞の成熟プロセスが大きく異なることが判ってきた。したがって、大脳新皮質における神経細胞の成熟メカニズムを理解するには、単純な分散培養系は適切でなく、より生体内に近い特殊な培養系を用いた解析が必要不可欠である,そこで本年度私は、スライスオーバーレイ培養法を用いた神経細胞の成熟プロセスの解析系を立ち上げた。スライスオーバーレイ培養法とは、マウス新生仔の大脳新皮質スライス上で、遺伝子導入した神経細胞を初代培養する方法である。この培養系において、脳スライス上の神経細胞は、脳膜側に一次樹状突起を形成し、白質側に軸索を伸長した。さらに、蛍光分子を用いて中心体をラベルし、細胞内における中心体の位置を精査したところ、一次樹状突起の根本(核のapical側)に中心体が観察された。これらの特徴はいずれも、大脳新皮質における成熟中の神経細胞と極めて似ていた。加えて、この培養系においてLKB1キナーゼを発現抑制すると、神経細胞の樹状突起・軸索の形成方向および中心体の配置が異常を呈した。以上の成果は、脳における神経細胞の成熟および極性化の分子機構にアプローチするための極めて重要な突破口になると期待できる。
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