研究課題/領域番号 |
09J07642
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
電子デバイス・電子機器
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
沖川 侑揮 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / 電界効果型トランジスタ / 走査型プローブ顕微鏡 / 欠陥 / 局所ゲート顕微鏡 / ケルビンプローブフォース顕微鏡 / 障壁の高さ / 薄膜トランジスタ / モンテカルロシミュレーション / リングオシレータ / 中集積規模回路 / トランジスタ / 磁気力顕微鏡 / 電気伝導のばらつき評価 |
研究概要 |
これまでの研究では、走査型プローブ顕微鏡(SPM)を用いてカーボンナノチューブ電界効果型トランジスタ(CNT-FET)やカーボンナノチューブ薄膜トランジスタ(CNT-TFT)の動作機構や伝導機構について明らかにしてきた。その中で、局所ゲート顕微鏡(SGM測定)によりCNTチャネルの局所電気伝導特性を解析したところ、障壁を含む金属CNTを示唆する結果が得られている。一方、プラズマCVD法で成長したCNTをCNT-TFTのチャネルに適用すると、高いON電流かつ小さいOFF電流が得られると報告されている。例えばチャネル長が10μmと短い時でさえ、ON/OFF比は10^5程度の値が得られている。プラズマCVD法で成長したCNTをチャネルに用いたCNT-TFTにおいて、パーコレーション閾値を超す高いCNT密度であってもOFF電流の抑制が可能なのは、CNTの長さが比較的短いことに加えて、金属CNT中に形成される障壁によるものと推測される。このような背景から、金属CNTに形成される障壁が電気伝導特性に与える影響について理解することは重要である。 本年度は、金属CNTチャネル中に存在する欠陥による障壁の高さを、ドレイン電流の温度依存性を評価した。まずサブスレッショルド領域におけるSGM測定により金属CNT中に存在する欠陥を確認したCNTについて、I_D-V_<GS>特性の温度依存性を測定し、電子とホール双方に対して300meV程度の障壁が存在していることを示した。またチャネルに沿った電位プロファイルをケルビンプローブフォース顕微鏡(KFM)により測定し、金属CNT中に存在している障壁がCNT-FETの電気伝導特性の支配的要因となっていることを明らかにした。最後に金属CNT中に局所的にバンドギャップが形成される原因について考察し、プラズマCVDで成長したCNTは複数の炭素原子空孔により局所的にバンドギャップが開くと推測された。
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