研究課題/領域番号 |
09J08505
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
電子デバイス・電子機器
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
星井 拓也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | InGaAs / Nitridation / MOS interface / ECR plasma / MOS界面 / ECRプラズマ |
研究概要 |
本研究はSi基板上に形成されたIII-V層(InGaAs層)をチャネルとするSi基板上III-V族化合物半導体MISFETの製作とその高性能動作を目指すものである。その手法として、InP基板上InGaAsチャネル層に対しECRプラズマ窒化処理を行い、InGaAs MOS界面特性に及ぼす影響を評価した。 ALD-Al203を絶縁膜としたInGaAs MOS界面の界面準位密度は、InGaAs表面窒化処理によって、標準的な界面処理手法であるS終端処理と比べて有意に減少し、最小値で2.0x10^<11>cm^<-2>eV^<-1>という非常に低い値を示した。このような低い界面準位密度を得るにあたり、表面窒化によって形成された窒化物層によって、0.65nmのEOT増加が生じた。また、窒化条件による界面準位密度とEOTの変化を検証したところ、ECRのためのマイクロ波出力と窒化時間による影響が大きいことがわかった。界面準位密度については、高いマイクロ波出力ほど、短い時間で界面準位密度の減少が起こった。一方、EOTについてはマイクロ波出力に対する依存はあまり見られず、主に窒化時間に依存していることがわかった。このことから、高いマイクロ波出力を用いて短時間で処理を行うことで、EOT増加を抑制して良好な界面を得られる可能性が示唆された。さらに窒化時間の変化による界面の結合状態の違いをXPSで観察したところ、本実験で用いた条件では窒化物と同時に酸化も進行していることがわかった。また、界面準位密度が減少している時間は窒化反応が支配的に起こっている状態に対応しており、酸化反応が強く見えるようになると界面準位密度の増加がおこった。このことは界面準位密度の減少が窒化処理によるものであることを強く示唆しており、前述のマイクロ波出力に対する界面準位密度変化の違いも、マイクロ波出力がプラズマ中の活性種の密度に影響すると考えられることから窒素活性種の密度によって説明できる。以上のように、InGaAs表面窒化処理がMOS界面の界面準位密度に与える効果について調査し、窒化処理が界面準位密度低減に有効であることを示した。 MOSFETを作製することによる界面特性の検証については、FET作製プロセスの最適化が十分でなく、検証に至らなかった。 これらの研究内容に関して、2010年度中に、主著として、1件の査読付き論文、1件の査読付き国際会議、1件の国内会議発表を行い、また現在、更に1件の論文投稿を準備中である。
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