研究課題/領域番号 |
09J08918
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
橋本 隆 京都府立医科大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | エピジェネティクス / PTSD / CRH / Single prolonged stress(SPS) / DNAメチル化 / 免疫クロマチン沈降法(ChIP) / ヒストンアセチル化 / 雄性行動観察 / Single prolonged stress (SPS) / コルチコトロピン放出ホルモン(CRH) / 脳の性差 / クロマチン沈降法(ChIP) / 臨界期 / エストロゲン受容体α(ERα) / アロマターゼ |
研究概要 |
エピジェネティクスに基づく外傷後ストレス障害(PTSD)の病態解明 22年度より開始した本実験ではPTSDの動物モデルであるSPSラットを使用し、脳内のストレス関連因子の発現解析を行ってきた。海馬におけるグルココルチコイド受容体の発現変化は認められなかった。ストレス反応の要となるHPA軸においても、CRHの発現変化は捉えられなかったが、不安反応に関与深いする扁桃体領域においてCRHの発現上昇を示唆する結果を、定量的real time PCR法、酵素抗体法による組織染色およびimageJ画像解析より得た。この結果は、PTSD発症後情動記憶の中枢である同領域において、不安惹起作用を示すCRHの発現異常が定常状態で起こっていることを示し、再負荷された急性ストレスに対する応答性についても影響を与えている可能性が考えられた。そこで23年度は作出されたPTSDモデルラットに対して強制水泳を再負荷し、ストレスや不安行動に関連する室傍核(PVN)、分界条床核(BNST)、扁桃体中心角(CeA)の三つの領域においてCRHの発現レベルを免疫組織化学的に調査した。ストレス再負荷2時間後において、PTSDモデルラットはコントロールラットと比較してPVN、CeAにおいて有意差を認めなかったものの、BNSTにおいて有意に高いCRH免疫陽性反応を認めた。本結果よりCeA-BNST間の神経繊維連絡を通したCRHの分泌異常が予想され、不安様関連行動の増加を伴なうPTSD病症の、内分泌学的理解に繋がると考えられる。 なお、前年度申請書記載の「扁桃体CRH発現異常のエピジェネティクスに基づく分子基盤解明」については、1)DNAメチル化について、ChIPおよびバイサルファイトシークエンス法に調査中、2)行動試験については、不安様行動関連の評価に沿い高架式十字迷路試験を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
23年度実験計画の、「PTSDモデルラットにおける扁桃体中心核CRHのプロモーター領域のDNAメチル化」については、サンプリングおよび試薬の準備は終了しているものの未解析の状態であり、行動試験に関してもinjectionやソフトを使った行動評価など実験手技の整備をある程度行っているものの、本試験に至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
メチル化解析を今年度中に終了させ、論文投稿を行う。計画案にあった行動試験についても随時進めるが、進度に応じて論文内容への追加を検討・吟味する。
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