研究課題/領域番号 |
09J08971
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
統計科学
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
山田 健太 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2009 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2010年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2009年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 確率過程 / エージェントベースモデル / 金融市場 |
研究概要 |
本年度の研究では、確率論的ディーラーモデルのスプレッド(売り値と買い値の差)が時間的に変化する、Stretch Spread Modelを提案し、金融工学の代表的モデルであるARCH (AutoRegressive Conditional Heteroskedasticity)モデルとの関係を導き、価格変動の分布に見られるベキ関数のベキ指数とディーラーモデルのパラメータの関係を理論的に計算した。また、ディーラーモデルを用いた応用研究として、ディーラーに課せられるロスリミットと市場価格変動の関係の解析や、政府による介入のシミュレーションを行った。 ARCHモデルは、1982年にノーベル経済学賞を受賞したEngleによって提案された自己回帰型の時系列モデルであり、大きな価格変動がかたまって出やすいボラティリティークラスタリングの性質や、価格変動の分布のベキ則を再現する、金融工学分野の代表的価格変動モデルである。また、ARCHモデルをベースに、より実務に適するように改良されたモデルは、GARCHモデルをはじめとして多数存在する。よって、個々のディーラーの行動をモデル化するディーラーモデルと、ディーラーの行動の集合として生成される価格変動をモデル化するARCHモデルを繋げることは、ディーラーの行動と市場の特性の因果関係を解明する上で大変重要である。 ディーラーモデルを用いた応用研究は、始まってから日は浅いが、これまでは勘と経験により行われていた金融市場安定化の方法に関しても、ディーラーモデルを用いて科学的な視点から市場規制制度導入に対する議論を行うことや、政府による介入のシミュレーションなども行うことが可能なことから、研究成果の実社会への還元が期待される。
|