研究課題/領域番号 |
09J09216
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
気象・海洋物理・陸水学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
袁 潮霞 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | インド洋ダイポールモード現象 / UTCM大気海洋結合モデル / 松野-ギルパターン / 大気循偏差 / 大気循環偏差 / レイ・トレーシング / 大気大循環モデル / 降雪 |
研究概要 |
インド洋熱帯域のダイポールモード現象(IOD)が、チベット高原における初冬の積雪面積に影響を与えるメカニズムをUTCM大気海洋結合モデル(The University of Tokyo Coupled General Circulation Model)での再現性を調べた。UTCMを300年間積分し、最後の280年間のうち、エルニーニョを伴わない正のIODの見られた30年を分析した。 初冬について詳細を見てみると、正のIODの東の極にある負の海面水温偏差が観測値よりも大きく、また西へ向かって東経60度まで広がっている。このため、非断熱冷却(加熱)アノマリーが観測より西へシフトしている。それゆえ、この熱帯におけるダイポール非断熱加熱アノマリーへの松野-ギル・パターンにおけるバロクリニックな大気応答もまた、観測よりも西ヘシフトしている。つまり、観測では対流圏下層にある時計回りの(反時計回りの)アノマリーはアラビア半島(ベンガル湾)にあるのに対し、UTCMの結果では、北アフリカ(アラビア海)に見られる。UTCMでは、初冬の偏西風(ジェット気流)の赤道方向への後退が観測よりも少なく。そのため、基本場のバロトロピック成分が北アフリカとアラビア海では東風となっている。このように、ダイポールの非断熱加熱への大気応答は熱帯へと限定されており、中高緯度へのテレコネクションが見られない。 結果として、観測でみられるロスビー波のアラビア半島から極向きの伝播やその結果生じる北インドにおけるバロトロピックな低気圧性偏差はUTCMでは見られず、それゆえ、この偏差によってチベット高原へ水蒸気の供給が増加し、チベット高原での降雪が増加するという現象も見られなかった。
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