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国学の情念的人間観・世界観の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09J09588
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 哲学・倫理学
研究機関東京大学

研究代表者

板東 洋介  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2009 – 2011
研究課題ステータス 完了 (2011年度)
配分額 *注記
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2011年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2010年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2009年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
キーワード国学 / 情念 / 賀茂真淵 / 源氏物語 / 日本儒教 / 荻生徂徠 / 詩経 / 物の哀れ / 技術 / 本居宣長 / 和歌 / 松尾芭蕉 / 物語 / 造化
研究概要

三年間の研究の最終年度となる本年度は、(I)これまでで得られた国学の情念論の総まとめ、および(II)その近・現代日本への射程を探ることの二点を軸として研究が進められた。その中心的な成果は、論文「悲泣する人間-賀茂真淵の人間観-」(『倫理学年報』61集)にまとめられ、査読を経て公表された。本論文は国学四大人の一人・賀茂真淵の生涯と著作のうえで反復される死者への悲泣の情念の構造を明らかにした上で、その死者への悲泣を人間の基底的リアリティーとする思想が、人倫・国家・市場といった生者の共同体における効用を至上価値とする近世および近代の通念に対する根本的な反措定となっていることを明らかにしたものである。本論文は前半の思想史的な理解のみでなく、後半のアクチュアリティーの探究についても高い評価を受け、本年度の達成目標である上記の(I)・(II)の両方を達成する、本年度の中心的な業績であると位置づけることができる。
また一般向けに日本思想史の最新の知見を提供する雑誌『季刊日本思想史』の『源氏物語』特集号に、「『源氏物語』享受の論理と倫理」を、巻頭論文として発表した。本雑誌は本年度中での出版には至らなかったが、平成24年6月発売を期して校正作業に入っており、すでに一般広告としても告知されている。本居宣長の「もののあはれ」がその具体的文拠を『源氏物語』にもつように、国学の情念論にとって『源氏物語』は大きな思想源泉である。本研究でも国学情念論解明のための予備部門としてその研究を予定し、実際に研究を進めていたが、最終年度になってその研究成果を広汎な読者をもつ雑誌に公表しえたことは、本研究の進展および一般へのその意義の周知という点で、大きな意義をもつものである。
以上二点の論文を中心業績とする本年度の研究は、研究全体の総括と、一般へのその意義の提示という両面において、着実な成果を挙げたと判断できる。

報告書

(3件)
  • 2011 実績報告書
  • 2010 実績報告書
  • 2009 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2012 2011 2010

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 悲泣する人間-賀茂真淵の人間観-2012

    • 著者名/発表者名
      板東洋介
    • 雑誌名

      倫理学年報

      巻: 61 ページ: 201-214

    • NAID

      40019260254

    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 『源氏物語』享受の論理と倫理2012

    • 著者名/発表者名
      板東洋介
    • 雑誌名

      季刊日本思想史

      巻: 80(掲載確定・校正中)(版下作成中)

    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [雑誌論文] 近世儒者の『詩経』観-国学の国・歌観との対照のための予備的考察-2011

    • 著者名/発表者名
      板東洋介
    • 雑誌名

      思想史研究

      巻: 13号 ページ: 17-38

    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [雑誌論文] 技術の思想としての徂徠学2011

    • 著者名/発表者名
      板東洋介
    • 雑誌名

      倫理学紀要

      巻: 18輯 ページ: 156-180

    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 和歌・物語の倫理的意義について-本居宣長の「もののあはれ」論を手がかりに2010

    • 著者名/発表者名
      板東洋介
    • 雑誌名

      倫理学年報 59

      ページ: 217-231

    • NAID

      40017066256

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 芭蕉における造化2010

    • 著者名/発表者名
      板東洋介
    • 雑誌名

      思想史研究 11

      ページ: 9-25

    • NAID

      40019133827

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [学会発表] 情念と形式-謡曲『砧』を手がかりとして-2010

    • 著者名/発表者名
      板東洋介
    • 学会等名
      日本倫理学会
    • 発表場所
      慶應義塾大学(三田)
    • 年月日
      2010-10-09
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [学会発表] インジウム触媒によるα-プロパルギルケトンの環化異性化反応によるフラン合成2010

    • 著者名/発表者名
      山形憲一、辻勇人、中村栄一
    • 学会等名
      日本化学会第90春季年会
    • 発表場所
      近畿大学本部キャンパス
    • 年月日
      2010-03-27
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書

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公開日: 2009-04-01   更新日: 2024-03-26  

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