研究課題
特別研究員奨励費
本年度は、昨年度に引き続き、ナノ構造体を利用した無標識検出を行うためのシステムの開発を継続して行った。無標識検出を行うためのナノ構造体は石英基板上に作製した。微小流路(幅25μm)内部に、幅600nm、高さ2.7μmのナノ構造体(ナノウォール)を200nm間隔にてパーティションのように流路と平行に作製した。光源には、波長532nmのレーザー光を用いた。入射レーザー光をチョッパーによって周期的に変調し、対物レンズを通して集光した。変調・集光したレーザーをナノウォール構造体に垂直に入射すると、レーザー光がナノウォールによって回折されることを確認した。この回折光をフォトダイオードにより検出し、この信号をロックインアンプに取り込み周波数分離・増幅を行った。光の強度変化を効率良く検出するために、フォトダイオードの前に直径100μmのピンホールを設置した。生体分子であるDNA分子を電気泳動によってナノウォール領域に泳動し、ナノウォール構造体を通過する際の回折光の強度変化の測定により無標識検出を行った。DNAの長さに応じて、信号強度が線形に増加することが明らかとなり、DNAの塩基対数と信号強度の間に直線の検量線を得ることに成功した。同様にして、200bp DNAの濃度を10ng/μLから300ng/μLまで変化させ、無標識検出が可能なDNA濃度の検討を行ったところ、用いた濃度範囲において濃度が大きくなるにつれて信号強度が線形に増加することがわかった。これにより、濃度と信号強度の間に直線の検量線を描くことに成功した。
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