研究課題/領域番号 |
09J10022
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学(英文学を除く)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福田 桃子 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | マルセル・プルースト / 女中 / アナトール・フランス / ユイスマンス / バルベー・ドールヴィイ / フロベール / 間テクスト性 / 世紀転換期 / 自然主義 / 批評と創作 / プルースト / ロマン主義 / ゴンクール / 19世紀末フランス文学 / 女中の表象 / 芸術家小説 / リラダン / モーパッサン |
研究概要 |
本研究課題の採用最終年度となる本年は、プルーストと19世紀から世紀転換期の作家たちとの間テクスト性の研究を中心に据えた。アナトール・フランスは、若き日のプルーストにとって最愛の作家であり、『ジャン・サントゥイユ』『失われた時を求めて』における作家・芸術家像に投影されるとともに、その美学にも多くの共通点が見られる。パリの家庭で女中を雇うことは、言語、服装、料理、信仰などを介してパリに田舎を見出すことであるが、これはアナトール・フランスの作品に度々登場する女中の役割とも重なっている。これまで論じられることが少なかった影響関係について研究をすすめるなかで、プルーストが女中の言語を称揚するアナトール・フランスの美学に共感を寄せつつも(『失われた時を求めて』において、主人公がベルゴットの作品に共鳴するのは女中の描写を通してである)、パリという土地および時代の変化を通してこうした「美」が破壊される過程を描き、アナトール・フランスのユートピア的な価値観を乗り越える過程が明らかになった(論文3)。土地を介した貴族との呼応という点に関しては、バルベー・ドールヴィイの諸作品がとりわけ重要な参照項となった。「聖女」と「女中」のアナロジーについては、ユイスマンス『大伽藍』およびフロベール『純な心』との比較検討をおこなった。これまで数多のテーマ研究が示してきたように、プルーストは、文学史および同時代のコンテクストや常套句を作品に採り入れる手法の独創性と視野の広さにおいて特異な作家であった。今後も文学史が編み上げた「女中」という主題系の整理・検証と作品読解を相互補完的に行うことで、作家の文学的素地をなす諸作品を新たな視座のもとにとらえ、作家が19世紀および世紀転換期の文学に何を負い、いかにして独自の小説美学を構築するに至ったのかを詳らかにすることを目指したい。
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