研究課題/領域番号 |
09J10088
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学(英文学を除く)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
神岡 理恵子 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2011年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2010年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2009年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ロシア文化 / ロシア文学 / 現代美術 / ロシア現代美術 / コンセプチュアリズム / ソッツアート / ソヴィエト文化 / 表現の自由 |
研究概要 |
本年度も文献の収集と読解を継続した。モスクワ・ビエンナーレ(第4回)の開催年であったため、現地調査を行なった。その際、モスクワ・コンセプチュアリズム派の中心人物たちが1970~1980年代の作品を保存したアーカイヴの一部が初公開され、その実態の把握と閲覧が実現したこと、また当事者たちからの聞き取り調査と資料閲覧が実現したことは大きな成果であった。造形芸術作品以外のテクストは当初からアーカイヴ化を目的としたもので膨大な量に上ることが判明し、今後は更にその研究が詳細になされるべきであり、継続して調査・読解を行なっていく予定である。また2011年はソ連崩壊20年に当たり、様々な角度からこの20年を振り返る企画が開催されたが、JSSEESシンポジウム「ソビエト崩壊20年--生活の変化、思想の変容」では、これまでの調査を踏まえ口頭発表「アンダーグラウンドからグローバル・サバイバルへ--ロシア現代美術の現場から」を行なった。一方、ソヴィエト後期の散文作品におけるコンセプチュアリズム的な側面は、これまでの研究の集大成として博士学位請求論文「ヴェネディクト・エロフェーエフ研究--引用の詩学と戦略」にまとめ、早稲田大学に提出した(2011年11月)。作家は1950年代末の第1作から既にコンセプチュアリズム的方法で作品を執筆していたことを明らかにし、後期の作品は散文における「ソッツアート」であったという点を、引用という手法に着目しながら論じた。当時直接的には接点・交流がなかった散文作家と造形芸術家たち双方において同じ問題意識や創作理論、事物の認識などが共有されていたということを裏付けたものである。 その他、以下の論文を発表。「ロシア・テレビドラマの現在--文芸大作からシットコムまで」(野中進ほか編『ロシア文化の方舟--ソ連崩壊から二〇年』東洋書店、2011、140-148頁)
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