研究課題/領域番号 |
09J10517
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 九州大学 (2011) お茶の水女子大学 (2009-2010) |
研究代表者 |
伊藤 浩史 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 助教
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2011年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2010年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2009年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 概日リズム / 同期 / ノイズ / 光サイクル / シアノバクテリア / 生物 |
研究概要 |
シアノバクテリア慨日リズムにおけるさまざまな種類の光(極めて小さな振幅の正弦波やノイズを含んだ波形など)の影響を調べるために、実験装置のセットアップを行い、生物発光による概日リズム計測を可能とした。シアノバクテリアには基質を外から投与しなくても生物発光を呈する組み替え体を作成し、これをポンプで循環させることによって、増殖が盛んな液体培地中での長時間の概日リズムの観察を可能とした。またノイズなどの様々なタイプの光が照射できるようなLEDとコンピュータ制御可能な電流源からなる照明装置を作成し、培養装置内部に配置した。 この装置を用いて新たに明らかになった事実として、培養時の温度を低下させたときに生物発光によって概日リズムを観察すると、ある温度以下では振幅が小さくなることによって概日リズムが観察されなくなることがわかった。またこの限界低温温度は、照射する照度に依存して変化することがわかった。低温環境下での概日リズムというのは、古くから研究されているが、シアノバクテリアでは未だ報告がなく、低温による概日リズム消失現象はメカニズムは不明な点が多い。本研究では概日リズム消失現象と照度が関係していることを明らかにするものである。 また分岐理論とよばれる力学系の理論を参照すると、リズムの消失の原因は"ホップ分岐"と呼ばれるタイプあることがわかった。このタイプは振幅が0になることがリズム消失の原因である。従って本研究で得た結果は、照度は概日リズムの振幅を変化させる可能性を示唆している。
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