研究課題/領域番号 |
09J40001
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
楯谷 智子 京都大学, ウイルス研究所, 特別研究員(RPD)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2011年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2010年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2009年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | マウス蝸牛 / ラセン神経節 / 有毛細胞前駆細胞 / 蛍光レポーター / 標識細胞 / ヘッジホッグシグナル / 内耳 / 蝸牛ラセン神経節 / 内耳幹細胞 / Nes-CreERT2 / 神経堤由来細胞 / Wnt1-Cre / 細胞系譜追跡 |
研究概要 |
意義:マウス蝸牛ラセン神経節の有毛細胞前駆細胞、あるいは内耳幹細胞の存在を明らかにし、今後の蝸牛有毛細胞再生研究の手がかりとする。 研究内容:1. Nes-CreERT2およびWnt1-creと蛍光レポーター発現の2重遺伝子改変マウスを用いたマウス蝸牛ラセン神経節標識細胞の細胞系譜追跡と分離培養・分化誘導法の確立;標識細胞が有毛細胞前駆細胞、あるいは内耳幹細胞であるかどうかを明らかにする。2.マウス蝸牛ラセン神経節の有毛細胞前駆細胞において有毛細胞への分化を制御する因子の探索;前駆細胞を有毛細胞に誘導するための方法を探索する。 研究成果:1.Wnt1-Creと蛍光レポーター発現の2重遺伝子改変マウスを用いたマウス蝸牛ラセン神経節標識細胞の細胞系譜追跡を行った。これまで内耳感覚上皮は耳プラコード由来の細胞により形成されると考えられていたが、本研究のなかでWht1-Creと蛍光レポーター発現の2重遺伝子改変マウスにおいて標識された神経堤細胞由来細胞がラセン神経節を経由して内耳感覚上皮に入り込むことが観察された。内耳感覚上皮において由来の異なる細胞が混在していること、および標識細胞が多様な運命を示しうることから内耳幹細胞である可能性があることが、本研究による新しい知見と考えられた。しかしながら、同様の結果を含む論文が海外の別グループによって昨年Development誌に掲載されたため、研究内容2.に注力することとなった。2.ヘッジホッグシグナル伝達が生体内の蝸牛感覚上皮予定領域において、Fgf20を介して有毛細胞および支持細胞への分化を抑制することが明らかになった。また、蝸牛感覚上皮においてヘッジホッグシグナルが抑制されているマウスは生後、中程度の先天性難聴に加え加齢とともに進行性難聴を呈することが明らかとなり、ヘッジホッグシグナルの欠落により有毛細胞の脆弱性が生じることが推測された。これらの研究結果につき論文投稿準備中である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記研究課題については、得られた結果の一部と同様の結果を含む論文が海外の別グループによって昨年Development誌に掲載され、論文作成にあたっては方針転換を余儀なくされているものの、この研究課題より派生した研究として、マウス蝸牛感覚上皮発生におけるヘッジホッグシグナル伝達の役割についての研究では成果が得られ、昨年9月の日本神経科学会および今年2月のThe Association for Research in Otolaryngology 35rd MidWinter Meetingで発表した。昨年度中に実験は終了し、現在論文作成中である。総じて、研究は期待通りの進展があったと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
(該当しない)
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