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キリシタン禁制の日本的特質―中国、朝鮮との比較を踏まえて―

研究課題

研究課題/領域番号 09J40188
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 日本史
研究機関東京大学

研究代表者

清水 有子  東京大学, 大学院・情報学環・学際情報学府, 特別研究員(RPD)

研究期間 (年度) 2009 – 2011
研究課題ステータス 完了 (2011年度)
配分額 *注記
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2011年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2010年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2009年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードキリシタン / ルソン / 東アジア / イエズス会 / 宗教 / 禁教 / 共同体 / キリスト教 / キリシタン史 / 対外交渉史 / 近世史 / 東アジア史 / 日本:中国:朝鮮 / 宗教史 / マニラ(呂宋)貿易
研究概要

本研究は、16-17世紀、日本の統一政権によるキリスト教禁教が徹底した排撃性をともなった原因を、清朝中国および李氏朝鮮の同事例との比較を通して考察し、そこから東アジアにおける近世日本の統治の特質を解明することを目的としている。本年度の研究成果は以下の2点である。
第1に、日本のキリシタンの内面的世界と在地社会への影響解明に取り組んだ。イエズス会宣教師の報告書を読解したところ、当該期の日本人のキリスト教受容の特徴として、受容が個人の問題ではなく、個人に優越する地位を占め、個人を規制していた共同体の問題であることが考えられた。このため、戦国期の社会構造やそこで既存宗教(寺社等)が果たしていた役割をテーマとする先行研究を収集・読解し、当該時期のキリスト教受容の構造を歴史的に理解し把握することに努めた。その結果、日本では領主領民が一体となったキリシタン領国を形成したが、彼らはキリスト教信仰を通して外国の統治者、政治勢力との精神的紐帯を有し、固有のヴィジョンあるいはアイデンティティを持つ勢力として成長しつつあった点が明らかとなった。またこの点こそが日本の統一権力に過酷な禁教政策をとらせた要因であるという結論に達した。以上について本年度中に活字の成果を出すことはできなかったが、平成24年8月に開催される東北アジアキリスト教史学会で口頭報告する予定である。
第2の成果として、従来の研究成果をとりまとめ、単著『近世日本とルソン-「鎖国」形成史再考』を東京堂出版より刊行した。本書では、日本のキリシタン禁教政策を、フィリピン諸島ルソン島のスペイン勢力との交流関係を切り口に再考し、日本のキリシタンの自律的動向を禁教の原因とみなした。
本年の研究成果から、日本のキリシタン禁教は、ルソンとの交流関係を背景に、外国の君主との精神的紐帯を有する固有の領主勢力として成長しつつあった、キリシタンに対する統一政権の対抗的措置とみなすことができる。そしてその過酷さの要因は、キリシタンが統一政権に代わり国家統治を担う勢力として抬頭することを可能とした、日本の社会構造に求められる.

報告書

(3件)
  • 2011 実績報告書
  • 2010 実績報告書
  • 2009 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2012 2011 2010 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 呂宋貿易におけるキリシタン宣教師の役割2011

    • 著者名/発表者名
      清水有子
    • 雑誌名

      研究キリシタン学

      巻: 13 ページ: 1-30

    • NAID

      40019161254

    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 16世紀末におけるキリシタン布教の実態 -洗礼者数の検討を通して-2011

    • 著者名/発表者名
      清水有子
    • 雑誌名

      明治学院大学キリスト教研究所紀要

      巻: 43号 ページ: 279-321

    • NAID

      40018740277

    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] ヴァリニャーノの書状(3)-1599年10月22-28日付、志岐発、フアン・デ・リベラ宛-2010

    • 著者名/発表者名
      清水有子
    • 雑誌名

      研究キリシタン学

      巻: 12号 ページ: 57-80

    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [雑誌論文] 日本・スペイン断交(1624年)の再検討-江戸幕府「鎖国」政策の形成過程-2009

    • 著者名/発表者名
      清水有子
    • 雑誌名

      歴史学研究 853

    • NAID

      40016553745

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] ルソン貿易におけるキリシタン宣教師の役割2011

    • 著者名/発表者名
      清水有子
    • 学会等名
      キリシタン文化研究会大会
    • 発表場所
      東京(上智大学)
    • 年月日
      2011-12-04
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [学会発表] 16世紀末の日本におけるキリシタン布教の実態-洗礼者数の検討を通して-2010

    • 著者名/発表者名
      清水有子
    • 学会等名
      キリスト教史学会第61回大会
    • 発表場所
      宮城学院(宮城県)
    • 年月日
      2010-09-11
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [学会発表] Japan and Manila trade in the 16th and 17th centuries2009

    • 著者名/発表者名
      Yuko SHIMIZU
    • 学会等名
      アジア世界史学会(AAWH)
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2009-05-30
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [図書] 近世日本とルソン「鎖國」形成史2012

    • 著者名/発表者名
      清水有子
    • 総ページ数
      404
    • 出版者
      東京堂出版
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [図書] 日本・スペイン交流史2010

    • 著者名/発表者名
      坂東省次, 清水有子
    • 総ページ数
      528
    • 出版者
      れんが書房新社
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書

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公開日: 2009-04-01   更新日: 2024-03-26  

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