本年度は、昨年度後半に行った現代史(スターリン期ウズベキスタン)関連の国内・国外学会報告をもとに、博士論文執筆を進めた。また、2011年後半に出版予定のブックレットに、スターリン期の「女性解放」に関連した原稿の準備を行ったほか、スターリン期の民族政策やイスラーム弾圧に関する論文執筆を進めた。 研究成果として、現代政治研究(ソ連解体後のウズベキスタン)関連の前年度後半のウズベキスタン選挙監視体験をもとに研究ノートを発表するとともに、『中東・イスラーム諸国民主化ハンドブック』所収の「ウズベキスタン」箇所を担当した(2011年版も明石書店より出版予定)。この論考は、インターネット上(NIHUプログラム・イスラーム地域研究東京大学拠点・グループ2「中東政治の構造変容」)でも公開されている。 博士論文の兼ね合いから、学会・研究会での報告は、北海道中央ユーラシア研究会で報告した以外では、日本中央アジア学会まつざきワークショップでの報告に留めた。 なお、研究調査としては、国外では米国イェール大学・ハーヴァード大学・コロンビア大学の図書館や文書館で、日本に所蔵がないソ連行政文書のマイクロフィルムや稀覯本コレクションについて資料収集に当たった。ここで得られた史料は、既集のウズベキスタン文書館史料とともに、23年度中に完成と提出をめざす博士論文執筆や、今後の学術雑誌への投稿論文に活かされる。今後は、博士論文の早期完成と研究成果の発表に一層努力する次第である。
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