研究分担者 |
伊藤 太一 筑波大学, 農林工学系, 助教授 (40175203)
安仁屋 政武 筑波大学, 地球科学系, 教授 (10111361)
立入 郁 日本学術振興会, 特別研究員(PD
湖中 真哉 静岡県立大学, 国際関係学部, 助手 (30275101)
太田 至 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (60191938)
西田 正規 筑波大学, 歴史・人類学系, 教授 (60088549)
増田 美砂 筑波大学, 農林学系, 助教授 (70192747)
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配分額 *注記 |
25,800千円 (直接経費: 25,800千円)
2000年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
1999年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1998年度: 10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
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研究概要 |
1.遊牧生態系のGIS/リモートセンシングによる解析: 牧野の植生は降雨から2ヵ月後に再生し,雨季と乾季の植生量の差が大きい地域では雨季のみ遊牧され,その差が少なく,安定した水場のある地域では乾季の遊牧が行われていた。 2.土地利用に関する行政処置の資料化と分析: 国立公園や動物保護区は,排他的に囲い込むことが行われてきたが,遊牧を許しつつ,保護区を管理するという,住民重視の政策がとられるようになった。将来的には,従来のネイチュア・ツーリズムを脱皮して,エコツーリズムとインタープリテーションの拡充が要請される。 3.社会文化系の資料化と分析: レンディーレの人口構造は,多産小死の傾向が認められる。また彼らの共存を支えるものの授受を制御する社会的メカニズムが明らかにされた。道具類は親族関係の枠内で女性関係を軸にして頻繁に交換され,男性中心に授受される家畜の交換関係を補完する関係網が析出された。 遊牧生態については,ラクダの増加をしのぐ人口増加が認められ,牧人不足を補う新たな放牧技術も工夫されていた。また町場近郊への定着化が進行し,定着化のインフラ整備として井戸の掘削開発が開始され,現金経済の浸潤に伴って店屋商人との信用取引が強化されていた。 農業開拓村は,牧村においては逸脱者とみなされる多くの女性世帯を吸収する機能を担っているが,家族関係と氏族関係の点で緊密な連携が計られていた。また,開拓農村におけるミルク販売は世帯の経済的多角化にともなう女性の自活手段として重要である。 サンプル社会において,牧民は,現金の蓄財よりも,家畜の再生産の機会として家畜市を利用し伝統的な家畜交換系と現金経済系の二重経済を保持していた。トゥルカナ社会では隣国からの難民流入,ガブラ社会では南部エチオピアにおけるオロモ系の民族運動による民族間紛争に巻き込まれる在地の遊牧民の動きが明らかにされた。
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