研究課題/領域番号 |
10041004
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
考古学(含先史学)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
青柳 正規 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (40011340)
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研究分担者 |
内田 俊秀 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (30132822)
STEPHAN Steingraber (STEPHAN Stei) 東京大学, 総合研究博物館, 客員教授 (00272451)
鷹野 光行 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (20143696)
宮坂 朋 弘前大学, 人文学部, 助教授 (80271790)
渡辺 道治 九州東海大学, 工学部, 教授 (70269108)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
33,000千円 (直接経費: 33,000千円)
2000年度: 10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
1999年度: 10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
1998年度: 12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
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キーワード | 発掘調査 / イタリア / ローマ時代 / 別荘遺跡 / 床モザイク / 遺構保存 |
研究概要 |
調査対象は、ローマの北西約100kmに位置するタルクィニアの郊外にあり、ティレニア海に面する海岸に立地するローマ時代の別荘遺跡である。 平成10年度及び11年度には、発掘区域を中心におよそ6000m^2の範囲で地中レーダーを用いた遺構探査を行った。これにより、発掘調査範囲の周辺にも、3000m^2を越える範囲で建物遺構が存在することが推定され、当遺跡の全体像を考察する上で、多くの情報を獲得できた。 こうした探査成果も考慮の上、この3年間で、当遺跡の中核部分およそ2000m^2の範囲で発掘調査を行った。 出土した遺構・遺物などから、当遺跡は、大規模な回廊、多彩な浴場スペース、豪華な建築装飾などに彩られた、当時の貴顕者層の所有になる別荘である可能性が高いことが判明した。 建築遺構の様式、建築物に用いられた刻印煉瓦などから、 1,創建は紀元前後の時期まで遡ることができること 2,紀元1世紀の末から紀元後2世紀の初頭には、回廊を中心とする建物の基本的プランは確定したこと 3,幾度かの改修を経て、4世紀後半には大規模な整地作業や建物装飾の全面的な改変、部屋の配置の変更などの大改修が加えられたこと 4,5世紀から6世紀頃に、何らかの理由から廃絶したこと などが明らかになった。 この3年間で採集された遺物は、およそ9m^3である。その内容は、土器片、建築部材を中心に、青銅貨、ガラス製品、骨角製装飾品、各種金属製品など多岐にわたり、鋭意整理中である。 現在までのところ別荘の所有者や歴史的に当地周辺に比定されている宿場"Quintiana"との関係を示す成果は得られていないが、当該期における当地周辺地域の社会的、経済的位置づけを知る上での多くの有益な資料が得られた。遺物の整理結果も併せて、今後、成果報告の刊行を予定している。
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