研究課題/領域番号 |
10041018
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
染谷 臣道 静岡大学, 人文学部, 教授 (20091548)
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研究分担者 |
松岡 悦子 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (10183948)
宮本 勝 中央大学, 総合政策学部, 教授 (40110085)
片多 順 福岡大学, 人文学部, 教授 (90037052)
板垣 明美 横浜市立大学, 国際文化学部, 助教授 (10221764)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
20,600千円 (直接経費: 20,600千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
1998年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | 東南アジア島嶼部 / 近代化 / 心身の反応 / 文化の創出 / 伝統文化 / 開発(発展) / 幸福 / 出産 / 開発 / 貧国 / 不平等 / 貧困 |
研究概要 |
政治的安定と順調な経済発展を遂げてきたかに見えた東南アジア島嶼部は現在、1997年に端を発した経済危機とそれに続く政治的社会的混乱の最中にある。こうした混乱の原因は単純ではないが、堅固な伝統が保持されつつある一方で、急速に推し進められてきた近代化との間の摩擦の結果と見ることができる。本研究は、東南アジア島嶼部に住む人々の<心身>が現在、どのような歪みを受け、どのような文化を創出することでその歪みを是正しようとしているか、について実地調査によって明らかにした。以下はその結果である。ジャワの伝統と近代思想を融合させたキ・アグンスリョ・ムンタラムの哲学を学ぶことで、貧しく、困難に満ちてはいるが、現実を直視しながら生き生きと生きている人物に焦点を合わせ、彼がどのような経緯をたどって「幸福」な人生に送れるようになったか、を明らかにした。伝統文化を駆使して犯罪を抑止、あるいは犯されたとしてもそれを公然としないなどで騒ぎの拡大を抑止しようとしているジャワの公設市場の売り子たちの考え方と行動を明らかにした。近代化から起こる人間関係の軌轢を伝統的災因論で解決しようとしているマレー農村の事例を明らかにした。伝統的な出産形式と近代的出産形式を適宜織り交ぜながら、伝統を保持しつつその重圧も避けるという選択を選んでいるジャワ農村の女性たちの意識と行動を明らかにした。伝統音楽(ガムラン)を演奏することで健常を保とうとしているジャワの都市社会の高齢者の実態を明らかにした。現金経済に適応しようとしている人々がいる反面、それに適応できず森に逃げる人々もいるトゥグティル人の例を明らかにした。森林伐採が進むなかで森林への伝統的観念を放棄しようとしているダヤック人の事例を明らかにした。市場で有利な柑橘類を栽培したり、シャーマンとして社会的威信を獲得するなどさかんに活動することで健常を維持しているカロ・バタック人の高齢者などが報告された。
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