研究課題/領域番号 |
10041037
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | フェリス女学院大学 |
研究代表者 |
二宮 宏之 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 教授 (40014427)
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研究分担者 |
長谷川 博子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60192697)
原 聖 女子美術大学, 芸術学部, 教授 (20180995)
川田 順造 広島市立大学, 国際学部, 教授 (50107835)
三浦 敦 埼玉大学, 教養学部, 助教授 (60261872)
工藤 光一 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (80255950)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
21,700千円 (直接経費: 21,700千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
1998年度: 12,300千円 (直接経費: 12,300千円)
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キーワード | 基層文化 / 身体技法 / 民俗慣習 / 伝統の創出 / 古層意識 / 政治的表象 / 長期的持続 / 文化の型 / 祝祭文化 / 宗教意識 |
研究概要 |
日本におけるヨーロッパ研究は、政治・経済システムの分析や思想・芸術の理解においては多くの成果を挙げてきたが、高度に結晶化した文化的達成の基底にある、ヨーロッパに生きる人びとの日常的現実とそこに見られる基本的な生活の型についての研究はきわめて不十分であり、日本におけるヨーロッパ理解に大きな偏りを生んできた。近代の形成を主導し、明治以後の日本も多くを学んだヨーロッパの文化の基層にあるものを、日本人の視点から明らかにすることは、近代以後が模索されている現在、重要な課題である。本学術調査は、フランスをおもな対象として、伝統的職人の身体技法、伝統の創出と古層意識、現代人の宗教意識、近現代社会の国際的巡礼運動、農民社会の家族関係と民俗慣習、農業経営と森林経営、祝祭文化と近代の政治的表象といった、多岐にわたる内容をそれぞれのテーマとしながら、問題関心を共有して、新たなヨーロッパ理解に道を開くことを企図していた。文化人類学と歴史学の研究者が双方の視点を交錯させて共同研究を行えたことは、たいへん有意義であった。2年間にわたる現地での実地調査の前後に行った日本での合計10回にわたる研究集会は、調査報告の機会というより、白熱した討論の場であった。「基層文化」の理解に関しては、時代的な「古さ」よりも長期的持続の相を重要視することについて、共通認識となりえたことは大きな成果であった。文化人類学の側からは、さらに研究者の抽出する文化の「型」の相として基層という考え方が提起されたが、歴史学の側から強い疑義が出され、その後「型」の時代が限定され、場所の非特定化が行われたが、最終的に合意に至らなかった。この点は今後の課題である。
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