研究分担者 |
山本 登志哉 前橋国際大学, 国際社会学部, 助教授 (60221660)
亀島 信也 関西福祉科学大学, 社会福祉学部, 教授 (90241108)
河合 優年 三重大学, 教育学部, 教授 (00144098)
竹内 伸宜 神戸海星女子学院大学, 文学部, 専任講師 (80216853)
坂元 章 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教授 (00205759)
藤永 保 お茶の水女子大学, 名誉教授 (60017126)
上原 明子 大阪成蹊女子短期大学, 児童教育学科, 教授 (10099525)
|
配分額 *注記 |
16,600千円 (直接経費: 16,600千円)
2000年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1998年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
|
研究概要 |
全部で6つの大きな課題が,4つの研究集団の手によっておこなわれた。最初の3つは研究代表者を中心としたグループの,条件統制観察研究,乳児保育所の自然観察研究,それに河北と上海における感情意識構造の質問紙研究である。それぞれの結果は報告書にまとめられているが,全体を通じて,日本の母親や保育者が受け身姿勢であるのに対して,中国の母親や保育者の,指導をすることに対する強い姿勢が描き出された。 坂元のグループは,最近日本でも話題になっている青少年の暴力犯罪に関する調査研究をおこなった。結果は多岐にわたるが,日中両国共,青少年犯罪の原因は家族内コミュニケーション不足といった後天的要因が作り出しているという見解において共通であった。日本ではメディアによる悪影響が問題にされるが,実際にはそれは青少年犯罪の本質ではないということも明らかにされた。 山本のグループは,子どもが小遣いをどのように使うかということに視点を当て,日本民族,吉林省延辺に居住する朝鮮族,同じく延辺に居住する漢民族,上海市の漢民族とい4集団の比較研究をおこなった。その結果,民族間というよりも,居住地域において小遣いの使い方に違いが認められた。また,小遣いの使途に関する親子間の認識のずれは,これも当然のことながら,年代が上昇するにつれて拡大する。しかしながら,小遣いで購入する物品の価値判断については文化・地域において違いが認められなかった。 河合のグループは,内モンゴル自治区の満州族を対象として,据え付けカメラを固定して日常を撮影するという手法,及び日記の分析を通じて,民族に特異的な養育観の研究をおこなった。幼稚園教育自体においては日中間に大きな違いはないが,集団の中での役割や行動規範の獲得において,中国側に強い強制力が働いていることが明らかになった。
|