研究課題/領域番号 |
10041041
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 大阪国際大学 |
研究代表者 |
山本 勇次 大阪国際大学, 政経学部, 教授 (50114806)
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研究分担者 |
藤巻 正己 立命館大学, 文学部, 教授 (60131603)
江口 信清 立命館大学, 文学部, 教授 (90185108)
村瀬 智 大谷女子短期大学, 国際文化学科, 教授
北森 絵里 天理大学, 国際文化学部, 講師 (40278875)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
11,900千円 (直接経費: 11,900千円)
1999年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1998年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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キーワード | スラム / 貧困 / 適応 / ネパール / インド / ドミニカ国 / マレーシア / ブラジル / 貧因の文化 / 貧因 |
研究概要 |
山本勇次は、平成10、11年度の8〜9月に、ネパール王国ポカラ市で、ネパール人調査助手の助けを借りて、41カ所のスラム集落総計二千世帯余りの聞き取り調査を実施した。村瀬智は、平成10年8〜9月、平成10年12月、平成11年8〜9月の三度、インド西ベンガル州ボルプール市周辺のスラム地区においてフィールド調査を実施した。江口信清は、平成10年4月から6月と平成11年12月にカリブ海ドミニカ国のロゾー市周辺のスラム地区でフィールド調査をした。藤巻正己は、平成10年と翌年の8月にマレーシアの首都クアラルンプールのスラム地区で聞き取り調査を実施し、また長期間のスラム地区住民に関する新聞記事を収集した。北森絵里は、平成10年と翌年8月に、ブラジル、リオデジャネイロ市周辺のスラム地区においてフィールドワークを実施した。以上の調査から、いずれの調査者も、その担当する発展途上諸国のスラム地区住民の多様な生活実態を聞き取りおよび観察したが、その共通部分を略記すれば、以下のとおりとなる。第一に、スラム地区住民は周辺の中産・富裕階層の蔑視を受けながらも、健気に、ある種の明るさを保ちながら貧困な社会環境に適応して生活している。第二に、彼らの多くはトイレも満足にない劣悪な生活環境に暮らしてはいるが、「自主的リーダー」とも呼べる指導者を中心にある種の社会的統制を保っており、決して無秩序集団ではない。第三に、スラム集落は農村社会と都市社会との経済格差が続く限り永遠に発生し続けることが予想される。
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