研究課題/領域番号 |
10041069
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
福井 勝義 京都大学, 総合人間学部, 教授 (60014510)
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研究分担者 |
佐藤 廉也 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 助教授 (20293938)
宮脇 幸生 大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (60174223)
栗本 英世 大阪大学, 大学院・人間科学研究科, 助教授 (10192569)
松田 凡 京都文教大学, 人間学部, 助教授 (90288689)
GEMECHU Mege アジスアベバ大学, 社会科学部, 講師
TADDCHU Merg アジスアベバ大学, エチオピア研究所, 副所長
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
23,000千円 (直接経費: 23,000千円)
2000年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1999年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1998年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
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キーワード | 北東アフリカ / エチオピア / 国家 / 民族 / 地方行政 / 生業戦略 / 開発 / 民族言語 / 再編成 |
研究概要 |
本調査研究の目的は、北東アフリカにおけるエチオピアを主要な対象とし、周辺諸民族が国家との劇的な関係変容の過程で、どのような生業戦略をみいだし、新たな再編成をはかっていくかを、政治・経済・生業の諸点から実証的に浮き彫りにしていくとともに、こうした事例を詳細に分析していくことによって、国家と民族との関係をめぐる新たなモデルの再構築という世界的な緊急課題に、学術的な立場から貢献しようとするものであった。 上記の目的にもとづき、平成10年度には国家機関や地方行政府の発行・所有する民族政策に関わる基本的資料の収集をおこない、平成11年度にはインフラ整備における国家の開発政策の調査、民族自治政治体制の整備にともなう社会構造変化についての調査を実施した。さらに平成12年度は、地方レベルのあらたなエリート階層の社会経済的背景を知るための生活史調査や国家政策に対する地方の対応の諸相など、国家と周辺諸民族との関係構造の調査をおこなった。 こうした3年間の研究を総合的に比較検討することによって、国家による開発計画に対し、民族によって異なる反応(積極的受容、抵抗、一部の階層による受容など)がみられることがあきらかになった。これらの要因は開発に伴う利益享受の不均等に起因することのほか、各集団の文化システムの相違によるものであった。さらにこうした地方間の格差が顕在化している一方で、どの地方においてもあらたなエリート階層が形成されつつあることが明らかになった。こうして浮き彫りになった国家と民族、中心と地方との影響関係の構造をふまえ、われわれはエチオピアで現在深刻化している自然環境の悪化が、国家の開発政策が浸透していくなかで、周辺諸民族の生業体系や資源利用形態の歴史的変遷とどのような連関にあるのかを具体的に分析・解明していく研究を構想している。
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