研究課題/領域番号 |
10041070
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 二郎 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (30027495)
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研究分担者 |
中川 裕 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (70227750)
大崎 雅一 姫路獨協大学, 学長付き, 助教授 (40254453)
菅原 和孝 京都大学, 総合人間学部, 教授 (80133685)
池谷 和信 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 助教授 (10211723)
大野 仁美 麗澤大学, 外国語学部, 助教授 (70245273)
メガン ビーゼリー 開発基金, 所長
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
35,300千円 (直接経費: 35,300千円)
2000年度: 11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
1999年度: 10,900千円 (直接経費: 10,900千円)
1998年度: 13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
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キーワード | サン / グイ / ガナ / カラハリ / ボツワナ / ナミビア / 移住 / 人類学 / ナミアビ |
研究概要 |
本研究は、サンの移動と近隣民族集団との交流の歴史を追究し、地域史の全貌を明らかにすることを第一の目的としている。また、国立公園の設置に向け、住民を公園外に移住させる計画が実施され、それによって民族間関係の調整や地域社会の再編の過程が急激に進行しつつある。本研究は、開発計画が伝統社会に及ぼす影響を解明するとともに、これらの民族集団の近代化、文化変容、民族間関係を動的に把握することを第二の目的としている。上記の目的を達成するために、生態人類学、歴史人類学、開発経済論、言語学、心理学、医学など多岐にわたる分野の研究者の協力によって総合的な調査研究を行った。 第一の目的を達成するために、考古、歴史資料を収集、分析し、一方で、古老からの聞き語り、昔話を採集し、近過去の歴史復元を試みた。言語・文化的な側面から民族間の接触、交渉の歴史を明らかにするために、グイ語、ガナ語、コン語、ツワナ語カラハリ方言各話者の分布と、それぞれの方言の分類上の位置づけを社会言語学的に調査した。さらに、宗教儀礼などの側面から民族間の文化的交渉を解明するため、グイ、ガナ、カラハリ間の儀礼体系を比較調査した。 第二の目的のためには、住民への聞きとり調査に基づいて、移住計画に対する合意形成と意思決定の過程を分析した。同時に、新居住地への移動と定着の過程を明らかにし、自然資源の開拓の過程を調査したが、狩猟採集活動はさらに低調となり、現金収入および配給食料により強く依存するようになった。そのため政府は、小規模農耕牧畜を奨励しつつあるが、自給できる規模にはとうてい達せず、経済的自立にはほど遠い現状であることが判明した。 健康診断、病歴の調査を行い、近過去復元の個人データを得た。また、再移住を転機として、グイ、ガナの人口構成や出産間隔がどのように変化したのかを、聞きとりと年齢推定を通じて調査し、過去30年間の人口データを補強するとともに定住化、集住化による人口動態への影響を分析した。 将来のサン社会を背負っていく子ども世代について、小学校教育の影響、定住化による養育行動、乳幼児の発達過程への影響を分析した。
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