研究課題/領域番号 |
10041071
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
古川 久雄 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (00026410)
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研究分担者 |
安藤 和雄 京都大学, 東南アジア研究センター, 助教授 (20283658)
田中 耕司 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (10026619)
山田 勇 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (80093334)
竹田 晋也 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (90212026)
岩田 明久 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (20303878)
阿部 健一 (阿部 一) 国立民族学博物館, 地域研究企画交流センター, 助教授 (80222644)
池本 幸生 東京大学, 東洋文化研究所, 助教授 (20222911)
尹 紹亭 中国雲南省民俗博物館, 副館長
CHANTAVIPONG インタヴォン ラオス森林局, 主任研究員
TRAI DUC VIE ハノイ農業大学同学部, 教授
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
32,000千円 (直接経費: 32,000千円)
2000年度: 10,900千円 (直接経費: 10,900千円)
1999年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
1998年度: 11,900千円 (直接経費: 11,900千円)
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キーワード | 環境保全と破壊 / 少数民族 / 西欧近代文明 / 近代的開発 / 戦争 / 東南アジア / アマゾン / 地域社会保全 / インドネシア政策移民 / Mega Rice計画 / ラオスの森林伐採 / 沿岸集落保全 / 地方分権強化 / 住民自立型開発 / 在地適正技術 / 覇権的自然観の転換 / 人口移動 / 生態資源 / 環境問題 / 魚塘棚田 / プランテーション / 焼畑 / 生物相 / 大土地利用 / 魚棚田 / 再殖民地化 |
研究概要 |
環境保全と破壊のありように、地域の特性と共通性が明確になった。設定した対象地域は雲南、東南アジア大陸山地、インドネシアの泥炭湿地林帯、アマゾン河谷であり、いずれも熱帯林、亜熱帯林が最近まで密に覆っていた。 共通性は少人口地帯の少数民族や山地民が利用と保全を均衡させていたことである。最近の破壊的要因は近代的開発と戦争であり、両者は等質のベクトルであることが重要な発見である。ベトナムやラオスの戦争被災地で、戦後の大規模開発が進んでいる状況はこの等質性をよく示している。インドネシアとアマゾンで世界銀行に支援された開発が森林破壊を増幅させた事実もこの見方を更に補強する。 他方、地域の特性は、雲南、東南アジアとヨーロッパ移民が大量に流入した新大陸の間に明瞭である。雲南、東南アジアでは破壊に対する自然の反応が一見無秩序だが、敏速に進む。生物的対応である。新大陸ではブラジルの例に明らかだが、政府や機関レベルで変化を分析的にとらえて制度的対応を進めようとする。文明的対応である。 破壊の根底にある人間の欲望をどうとらえるか、つまり地域社会の価値観が異なるために、この違いが生じている。東南アジアでは文明機関と地域社会の間に懸隔があり、価値観が多元的である。地域社会は環境変化の認知を欲望の調整にフィードバックさせる機能をもつが、文明機関は欲望の増大を進歩と見る傾向がある。ブラジルでは、両者ともに欲望の全開が文明を成長させると考える点で、価値観が一元的である。 実態的調査は、東南アジアに偏り、ブラジルで手薄になっがた、生態系と生業は東南アジアが圧倒的に多様である。ヨーロッパ移民開始500年で、生態系と自然に関わる生業が驚くほど単純化したブラジルの状態に鑑みると、西欧近代文明に対する根本的批判と、アジア地域社会のもつフィードバック機能の肯定的再発見と発信が緊要の課題である。
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