研究課題/領域番号 |
10041073
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
伊東 正一 鳥取大学, 農学部, 助教授 (30222425)
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研究分担者 |
加古 敏之 神戸大学, 農学部, 教授 (00121533)
稲本 志良 京都大学, 農学部, 教授 (80026468)
津野 幸人 鳥取大学, 名誉教授 (00036287)
笠原 浩三 鳥取大学, 農学部, 教授 (60135837)
山路 永司 東京大学, 農学部, 教授 (10143405)
ERIC Wailes アーカンソー大学, 農学部, 教授
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
33,400千円 (直接経費: 33,400千円)
2000年度: 10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
1999年度: 10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
1998年度: 12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
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キーワード | ジャポニカ米 / 流通 / 潜在的生産能力 / 世界 / 「関税化」 / Policies |
研究概要 |
世界におけるジャポニカ米のこの3年間の現状は、国際価格においてはカリフォルニアの市場価格にみるように1トン当たり1998-99年の450ドル前後から2001年2月には300ドルを下回る状態で、急激な価格低迷を引き起こしている。 米国の1996年農業法は生産農家に多大の補助金を供与し、かつ、生産は自由にしたため、コストの低い農家を中心に生産が拡大する傾向にある。 中国においても生産の拡大の可能性は大きく,市場価格の上昇により今後とも黒龍江省を中心に潜在地が多いことが明らかとなった。現在では国内の市場価格が低迷しているため、増産傾向に歯止めがかかっている。また、中国では単収増の研究が進められており今後の単収増も可能性が大きい。 GIS(地理情報システム)によるアメリカ中部でのジャポニカ米潜在地の検索では、現在稲作をしていないが潜在性は大きいことが示唆された。現在の米国農業法では生産が自由であるため、これらの地域で稲作が将来は発生する可能性がある。 旧ソビエト地域(ロシアの極東地域及び黒海周辺地域からモスクワ南部にかけて、さらにウクライナ地域など)や南米南部(ブラジル南部,ウルグアイ、及びアルゼンチン北部の地域)、アフリカ西部、マダガスカル、さらに南アジア(インド北部)、東南アジア(タイ北部、ミャンマーの山間地帯)などにおいても、ジャポニカ米の生産拡大の潜在性は大きい。しかし、補助金のないこれらの地域では生産コストに見合う市場価格が条件となっている。今後、市場価格が向上したり、また、輸出市場が拡大することにより、これらの国々地域における生産拡大の可能性は大きい。 近年、アメリカをはじめとして世界的な規模の寿司ブーム、アジア食ブームが巻き起こっている。ヨーロッパでは狂牛病や口蹄疫の問題が深刻化しており、牛肉の消費も急激に落ち込んでいる。これを機にヨーロッパでは、これまでの肉食を避けてアジア食へ移行する動きは今後ますます大きくなろう。ジャポニカ米の潜在的生産能力が世界各地において非常に大きいことを背景に、世界でのジャポニカ米需要の高まりには生産サイドも積極的に対応していく必要がある。また、コメは世界的に見て他の穀物に比べ主食用として消費される率が非常に大きい。需要の拡大という点からは今後は飼料用の消費拡大も重要な課題になるであろう。このような生産サイドからの積極的な対応が市場価格の下落への対策として必要になってこよう。
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