研究課題/領域番号 |
10041112
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
垣本 史雄 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (00092544)
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研究分担者 |
田島 典夫 理化学研究所, 技術部・専任技師
吉井 尚 愛媛大学, 理学部, 教授 (00036360)
荻尾 彰一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (20242258)
VELARDE Alfo サンアンドレス大学, 理学部, 教授
MIRANDA Pedr サンアンドレス大学, 物理学研究所, 教授
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
1999年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1998年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 宇宙線 / 空気シャワー / 加速源 / 宇宙線伝播 / Vela超新星残骸 / 到来方向異方性 / 銀河面 / 宇宙ガンマ線 |
研究概要 |
平成10年度前半では、増設する検出器で用いる前置増幅器の制作を行った。これにより、従来の検出器とは異なり、1本のPMTで粒子数と粒子到来時刻の両測定を行うことが可能となった。 同年7月から10月に、ボリビア・チャカルタヤ山宇宙物理学観測所において、既存の空気シャワーアレイに21台の1m^2シンチレーション検出器を設置した。これらの検出器には、今回制作した増幅器を用いている。これにより、本アレイの検出器台数は計66台となった。予備観測を10月から平成11年3月まで行い、4月より本実験を開始した。 平成11年度は、観測データを取得するとともに、測定装置の一部改善、校正データの取得を行った。このうち校正データは、おもに、宇宙線到来方向決定や一次宇宙線エネルギー決定精度を向上させるためのもので、現地での観測装置設置後行う必要があり、観測データの蓄積を実行しながら行われた。また、旧来の記録装置である、8mmテープ装置をDVD-RAM装置に変更するととともに、OSもLINUXに変更した。これにより、より安定した観測システムの構築に成功し、測定のdead timeが著しく改善された。 これまでに得られたデータは、逐次、解析が行われ、以前のデータによって示唆されていた、銀径270度近辺の宇宙線過剰が確かめられた。ただし、解析プログラムは開発中であり、また、データ量も不十分であるので、更なる統計量の増大につとめる必要がある。 以上の途中経過は、平成11年8月に開催された第26回国際宇宙線会議において、萩尾が口頭発表した。 今後の予定としては、安定な観測を続行し、データの蓄積を早急に計るとともに、観測データと比較すべきシミュレーション計算を行う。予備的なシミュレーション計算によれば、Vela領域で加速された宇宙線のフローによる宇宙線過剰により、観測データを説明できそうである。最終結果を得るには、更なる詳細なシミュレーション計算が必要である。 最終的には、以後3年間の観測を実施し、測定精度を向上させるとともに、この異方性の一次エネルギー依存性を明確にする一方、測定結果と比較すべきシミュレーション計算を行い、10^<13>eV以上の宇宙線起源の解明を行う。
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