研究課題/領域番号 |
10041121
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地球化学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
日下部 実 岡山大学, 固体地球研究センター, 教授 (20015770)
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研究分担者 |
大場 武 東京工大, 草津白根火山観測所, 助教授 (60203915)
長尾 敬介 東京大学, 理学部, 教授 (40131619)
GREG Tanyile IRGM(Cameroon), 研究員
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
1999年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1998年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | カメルーン火山列 / ニオス湖 / 二酸化炭素 / 稀ガス同位体比 / K-Ar年代 / 火山岩 / マントル捕獲岩 / 化学的不均質 / 炭素同位体比 |
研究概要 |
西アフリカのカメルーンには北東-南西方向に連なる全長1600kmに及ぶカメルーン火山列(CVL)がある。CVLには大規模ガス災害(1986年8月)で有名になったニオス湖およびマヌーン湖などの火口湖が多数ある。ガス災害以降に行われてきた海外学術調査などにより、両湖はマグマ性二酸化炭素(CO_2)を異常に濃集していること、湖底からCO_2の継続的供給があり、ガス再爆発の危険性が高いこと、CVL火山列には多数の炭酸泉が点在すること、が判明している。 本研究ではニオス湖およびマヌーン湖の現状を把握し、同時にCVL火山列のマグマの地球化学的特性を明らかにするために以下の項目について調査・研究した。(1)ニオス湖およびマヌーン湖の水質、二酸化炭素濃度、溶存ガスの同位体比の測定をした。(2)CVL全域のうち、特に大西洋上の火山島の炭酸泉を系統的に採取し、化学組成および稀ガスの元素・同位体組成を分析した。(3)大西洋上に連なる火山島を含むCVL全域にわたって火山岩ならびにマントル捕獲岩を系統的に採取し、K-Ar年代、化学組成および稀ガスの元素・同位体組成を分析した。 その結果、(1)ニオス湖およびマヌーン湖の二酸化炭素のレベルは着実に増加していること、(2)ニオス湖やCVLの炭酸泉の主溶存成分である二酸化炭素はいずれもマントル起原であること、(3)CVLの火山活動はいずれも更新世-完新世にほぼ同時に起こっていたこと、(4)大陸地殻と海洋地殻の境界領域に産するCVL火山岩およびマントル捕獲岩のヘリウム同位体比が相対的に低いことから、マグマの発生源である上部マントルには特に(U+Th)/^3He比に関して化学的不均質の存在すること、などが明らかにされた。
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