研究分担者 |
菅原 正則 札幌市立高等専門学校, インダストリアルデザイン学科, 講師 (60300513)
本間 博文 放送大学, 教養学部, 教授 (60016475)
鄭 明燮 尚州大学校, 建築工学科, 教授
黄 霆夏 尚州大学校, 建築工学科, 教授
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研究概要 |
昨年度に引き続き、今年度も1999年8月7〜20日にかけて,韓国慶尚北道安東郡豊川面に残された伝統集落,河回村(ハフェマウル)へ,調査のため渡航を行った。 1.河回村の歴史的位置づけと風水思想 河回村に関する背景を史料に基づいて整理した。 河回村は15世紀に柳氏が入郷し、17世紀から本格的な豊山柳氏同族村となった嶺南の代表的班村である。そしてここは風水地理条件として河の形がS字(太極)形で村を取り巻く「水太極」および「山太極」を形成していることから,韓国の4大吉地の1つと言われている。 2.集落の空間構成を屋外の気候特性 河回村における建物配置の基本原則を,最適尺度による回帰分析から検討した。建物の正面が敷地面の傾斜の下方や,敷地の入り口の方向を向く傾向にあることがわかった。 河回村の気候特性は,屋外気象観測装置を用いた。1998年5月〜1999年8月の測定結果によると,特に冬季は強い西風,夏季は風向の定まらない弱い風が生じていることがわかった。しかし集落内の土塀を持つ路地において実測調査を行ったところ,冬季には防風効果,夏季には通風効果が現れた。 3.両班住宅の生活と熱環境 夏季における熱環境は,養眞堂(南向き)に比べ忠孝堂(西向き)では時間帯によりSET^*において高温となるが,それ以外の時間帯は外気に冷却され,また適度な室内風のために涼感が得られていた。また室内の光環境は自然採光により,家事作業などをするには十分な照度が得られていた。
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