研究課題/領域番号 |
10041158
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
人類学(含生理人類学)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平井 百樹 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (60156635)
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研究分担者 |
尾本 恵市 桃山学院大学, 文学部, 教授 (10011503)
赤尾 信明 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (00126559)
松本 芳嗣 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00173922)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
22,200千円 (直接経費: 22,200千円)
2000年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1999年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1998年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
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キーワード | ウォーレシア / 先住民族 / 集団遺伝学 / 寄生虫 / スラウェシ島 / ウオーレシア / フローレス島 / 身体計測 / インドネシア / アルフル族 / マラリア / セラム島 |
研究概要 |
アジア周辺の人類集団の起源を知るうえで、ウオーレシアを構成するインドネシア諸島の先住民について調べることは重要である。特に最近オーストラリアの古人骨マンゴーマンのDNA解析がなされ、新たな視点からのアジア大平洋地域の人類集団の系統関係の解析に関心が持たれ始めている。本研究では、3年度にわたり、セラム島、フローレス島、スラウェシ島の調査を行い、合計約600名について、人類学的計測、健康状態ならびに人口動態に関する情報収集、採糞を行った。そのうち約500名についてはインフォームドコンセントを得たうえで採血を行った。 身長をはじめとする人類学的計測結果については、50項目におよぶ検査項目のデータが蓄積した。このような人類学的形態調査は、最近では殆ど行われなくなった。しかし、東南アジア諸地域の隔離集団についての同様の調査が過去に行われており、今回の結果はそれらとの比較解析から多くの情報が得られると期待する。現在、本調査で得られた結果につき、コンピュータによるデータ解析の途上にある。腸内寄生虫の感染率は極めて高かったが、感染の種類については島ごとに異なっていた。一方、末梢血液の塗沫標本の検査から、マラリア感染率は低かった。約400名分の末梢血リシパ球については、EB-トランスフォームにより細胞系として樹立し、液体窒素中に保存した。血清蛋白、血球酵素といった血液の遺伝標識によると、調査した3集団は有意な差を示す。ミトコンドリアDNAの多型を指標にしても上記3島の集団は顕著に異なるという興味深い結果が得られた。これらの結果を踏まえ、従来の東南アジア集団、特にフィリピンのネグリト集団との遺伝学的関係についての考察を加えている。
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