研究課題/領域番号 |
10041168
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
生態
|
研究機関 | 東海学園大学 (2000) 東海学園女子短期大学 (1999) 京都大学 (1998) |
研究代表者 |
杉山 幸丸 東海学園大学, 人文学部, 教授 (20025349)
|
研究分担者 |
山越 政子 京都大学, 霊長類研究所, 日本学術振興会特別研究員
山越 言 京都大学, アジアアフリカ地域研究所, 助手 (00314253)
松沢 哲郎 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (60111986)
JEREMY Koman ギニア共和国ニンバ山研究所, 所長(研究職)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 15,600千円)
2000年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1999年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1998年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
|
キーワード | チンパンジー / algae-scooping / leaf-cushion / 道具使用 / 複合道具使用 / 行動的地域間比較 / 遺伝的地域間比較 / DNA分析 / 地域間比較 / 文化 / 適応的行動 / 行動発達 / チンパンジー(野生) / 野外実験 / 初産年齢 / 寄生虫感染 / 遺伝的類縁度 / day-bed / PCR法 / 父性判定 / 植生 / 植物生産量 / 行動伝播 |
研究概要 |
1976年以来、西アフリカ北部のギニア国南東隅、ボッソウ村を取り巻く森に生息する野生チンパンジーの全個体を識別して、行動と生態の研究を継続してきた。その間に29頭が生まれ、途中で死んだり消失した個体を含め、計51頭がボッソウの群れで過ごした。その結果、成熟前頃に雄も雌も出生地から分散するという、他の調査地にはない傾向が見られ、その結果を2000年6月にミュンヘンで開かれた国際研究集会で報告した。このような地域個体群間の関係と異同を明らかにするために、ボッソウから6-10km離れたニンバ山塊各地、約60km離れたディエケの森についても調査を開始し、糞尿サンプルの採集に成功した。遺伝的関係を明らかにするために、現在DNA分析を行っている。一方で、遠隔地間の関係も明らかにするために、タンザニアのマハレに調査員を派遣し、DNAとホルモン分析のための予備調査を行った。 ボッソウのチンパンジーの特徴は、その道具使用の種類の豊富さである。野生チンパンジー全体で27種類のうち19種類がボッソウで発見され、本研究計画の期問中にも、新たに水藻掬い(algae-scooping)や湿った地上での座布団(leaf-cushion)使用が発見された。まだまだ新しい道具使用行動が発見される可能性がある。さらに、一つの目的を達成するのに複数種類の道具を使う複合道具(tool-composite)使用は全体で8種類のうち5種類がボッソウのチンパンジーで発見された。チンパンジーの知能と学習能力、およびその発達の研究に格好のフィールドになった。ニンバ山、ディエケの森でもチンパンジーの道具使用の痕跡を発見し、さらに赤道ギニアのアレン山等で掘り捧使用の予備調査を行った。 また、近縁種との行動比較の観点から、ベルギーのプランケンドール動物園のボノボ(ピグミーチンパンジー)集団の比較資料の収集を行った。
|