研究課題/領域番号 |
10041186
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
系統・分類
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研究機関 | 国立科学博物館 |
研究代表者 |
小山 博滋 国立科学博物館, 植物研究部, 部長 (90000132)
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研究分担者 |
樋口 正信 国立科学博物館, 植物研究部, 主任研究官 (10189772)
柏谷 博之 国立科学博物館, 植物研究部, 室長 (10000142)
土居 祥兌 (土居 祥克) 国立科学博物館, 植物研究部, 室長 (10000134)
前川 二太郎 日本きのこセンター, 菌蕈研究所, 主任研究員 (00142638)
萩原 博光 国立科学博物館, 植物研究部, 主任研究官 (90100932)
岩科 司 国立科学博物館, 植物研究部, 主任研究官 (30151731)
井上 正鉄 秋田大学, 教育学部, 教授 (30143069)
國府方 吾郎 国立科学博物館, 筑波実験植物園, 研究官 (40300686)
高橋 弘 岐阜大学, 教育学部, 教授 (40021331)
柿鳥 眞 筑波大学農林学系, 教授 (40015904)
北山 太樹 国立科学博物館, 植物研究部, 研究官 (20270407)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
24,000千円 (直接経費: 24,000千円)
2000年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
1999年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1998年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
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キーワード | 中国 / 横断山脈 / 隠花植物 / 種多様性 / コケ類 / 地衣類 / 菌類 / 中国雲南省横断山脈 / 菌類多様性 / 粘菌 / 細胞性粘菌 / 子嚢菌類 / 担子菌類 |
研究概要 |
中国雲南省と四川省に位置する横断山脈の隠花植物調査を平成10年から平成12年の三ヵ年にわたり実施した。調査範囲は低地の常緑広葉樹林から高山帯の無植被地まで及んだが、特に低地では自然林はわずかに寺院等の周辺に見られる程度であった。本研究の主たる目的である標本資料の収集については、コケ類約5000点、地衣類約3150点、菌類約4000点、シダ類約130点、種子植物約2000点の標本を得ることができた。現在これらの標本にもとづき研究を進めている。以下、現在までの成果の概略を分類群毎に示す。 コケ類は高知では周北極要素やヒマラヤとの共通種が多くを占め、高度が下り山地帯になると東アジア要素のものが多く見られた。一方、標高2000m以下の低地では、コマチゴケ科やアブラゴケ科などの熱帯要素の種が見られ、中国内陸部へも河川流域伝いに分布域を北上させていることが確認された。 地衣類は標高1800mを越えると樹皮、岩上着生とも非常に豊富に生育していた。しかし,これ以下の高度ではムカデゴケ科,テロスキステス科をのぞいてほとんど生育しない。Hypogymnia属の新種を確認した。ヘリトリゴケ科19種が雲南省新産であった。 菌類は、担子菌のAmanita属及びCinoboletus属の新種が確認された。ヒダナシタケ目コウヤクタケ科の38属87種が本地域に産することが明らかになり、アジア新記録9種(8属)および中国新記録37種(25属)が含まれる。また、Hyphodontia属とTubulicrinis属の2新種を認めた。微小菌や変形菌でも新種や中国新記録種を確認した。中国と日本のHypocrea属を比較すると、形態的・地理的隔離の上ではかなり異なる種や菌株でも、分子系統学的にはごく近縁である例が多かった。植物寄生菌については7種のクロボ菌と25種のサビ菌を確認した。
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