研究課題/領域番号 |
10041188
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 高知医科大学 (1999) 帯広畜産大学 (1998) |
研究代表者 |
吾妻 健 高知医科大学, 医学部, 教授 (40117031)
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研究分担者 |
田口 尚弘 高知医科大学, 医学部, 助手 (80127943)
平井 啓久 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (10128308)
平田 瑞城 久留米大学, 医学部, 助教授 (70080629)
吾妻 美子 高知学園短期大学, 衛生技術科, 教授 (50004726)
岡本 宗裕 鳥取大学, 農学部, 助教授 (70177096)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
1999年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1998年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 住血吸虫 / 種分化 / 分子系統 / CO1 / ITS2 / 塩基配列 / S.indicum グループ / 遺伝的多様性 / 日本住吸血虫 / Schistosoma / リボソームRNA遺伝子 / COI / 分子系統樹 / 日本住血吸虫 / ナザーレ住血吸虫 / スピンダーレ住血吸虫 / PCR |
研究概要 |
1.インドネシア、タイ、及びスリランカから採集した3種の住血吸虫、Schistosoma incognitum,S.spindale,S.nasaleについて、CO1,ITS2の塩基配列を調べ、NJ法,UPGMA法,最大節約法を用いて系統樹解析を行なったところ、1)S.spindaleは、アフリカ産のビルハルツ住血吸虫に、S.nasaleはマンソン住血吸虫にそれぞれ近縁であった。2)S.incognitumは、アジア産とアフリカ産の中間に位置した。2.スリランカ象に特異的なBivitellobilharzia nairiは、ITS2と28Sの解析ではアジア産住血吸虫の進化における、かなり早い時期に分岐したことが暗示された。3.スリランカおよびバングラデッシュの宿主貝I.exustusおよびLymnaea spp.の18S及び28Sの解析では、I.exustusはアジア産のLymnaeaよりはアフリカ産のBiomphalaria spp.に類縁性が高かった。4.住血吸虫の染色体のC-バンドパターン分析では、7対の常染色体及び性染色体(Z、W)のC-バンドパターンはそれぞれ種特異的で、アジア産とアフリカ産の間に大きな違いが見られた。特に染色体2の変化(AM inversion)はアジアの日本住血吸虫が原形のタイプであり、アフリカの住血吸虫は派生的であることを暗示した。5.以上の結果から、1)哺乳類寄生性のSchistosoma属住血吸虫はアジア産のBivitellobilharzia nairiから分化し、はるか昔にS.sinensiumグループとS.indicumグループに分かれた。2)S.sinensiumグループの一部はその後新しい中間宿主貝(ミヤイリガイ)に適応してS.japonicumグループを生じた。3)S.indicumグループはI.exustusに適応し、その一部は何らかの方法でアフリカに分布するようになり、アフリカの多様な中間宿主貝や終宿主に適応して人寄生性系統が出現するなど種分化が促進された。
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