研究課題/領域番号 |
10041194
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
竹内 康浩 名古屋大学, 医学部, 教授 (90022805)
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研究分担者 |
柴田 英治 名古屋大学, 医学部, 助教授 (90206128)
山田 哲也 名古屋大学, 医学部, 助手 (90303635)
市原 学 名古屋大学, 医学部, 助教授 (90252238)
丁 訓誠 中国生育薬物毒理学中心, 教授
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 2-ブロモプロパン / 1-ブロモプロパン / 生殖毒性 / 神経毒性 / 精子数 / 月経 / 神経伝導速度 / 血液毒性 / 運動神経伝導速度 / 遠位潜時 / 振動覚 / 個人曝露量 / 製造工場 / 暴露量 / 許容濃度 / クレアチンキナーゼ / 中枢神経症状 / 労働者 / 曝露量 / 生殖障害 / 造血機能障害 |
研究概要 |
1.2-ブロモプロパンのヒトにおける量-影響関係を解明することを目的にして、中国における2-ブロモプロパン工場を調査した。労働者25人(女性14名、男性11名)を対象に、パッシブサンプラーによる個人暴露量、血球数、月経状態、射精精液指標(精子数、運動率、形態異常)を調べた。個人平均暴露量に対して、上記指標の回帰分析を行った。無月経ないし頻月経は比較的高齢の女性労働者にのみ見られた。月経が正常な女性労働者に限ると、個人暴露量と血液指標には負の相関が見られた。しかし、その他の指標では個人暴露量との有意な関係は見られなかった。10ppm以下の2-ブロモプロパン暴露では、韓国で見られたほどの重篤な生殖機能、骨髄機能障害は見られなかった。しかし、造血作用に対する悪影響がある可能性は否定できなかった。 2.次に2-ブロモプロパンに代わって新しいフロン代替物質として使用が広がりつつある異性体1-ブロモプロパンの生体影響を調査した。中国の1-ブロモプロパン工場に働く27人の女性労働者を対象に神経学的診察を行うとともに、下肢運動神経伝導速度、遠位潜時、F波伝導速度、感覚神経伝導速度を測定した。対照群としてビール工場で働く25人の女性労働者を同時に調べた。神経学的検査では足部振動覚の低下をしめすものが暴露群では27人中17人に見られた。運動神経伝導速度は暴露群と対照群の間に有意な差はなかったが、暴露群の遠位潜時は対照群に対して有意に延長した(37%)。F波伝導速度については暴露群が対照群に比し有意に減少した(5%)。感覚神経伝導速度は暴露群が対照群に比し、有意に低下(15%)していた。パッシブサンプラーを用いて測定した個人暴露濃度の時間過重平均値は0.3-49.2ppmであった。以上より、数十ppm以下の1-ブロモプロパン暴露により、下肢末梢神経が障害されることが示唆された。
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