研究課題/領域番号 |
10041206
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
竹内 勤 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00051847)
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研究分担者 |
堀尾 政博 産業医科大学, 医学部, 講師 (90131937)
福田 恵一 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (20199227)
三浦 左千夫 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (30051858)
関 健介 杏林大学, 保健学部, 助手 (40286430)
濱野 真二郎 九州大学, 医学部, 助手 (70294915)
神谷 利明 クリスチャン大学, 医学部, 教授
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
1999年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1998年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | Trypanosoma cruzi / Triatoma infestans / Strout法 / xenodiagnosis / T.cruzi-DNA / PCR法 / 先天性シャーガス病 / Holter心電図 / 虫血症 / 臍帯血 / ボリビア / サンタクルズ県 / 血清疫学的調査 |
研究概要 |
調査期間中抗Trypanosoma cruzi(T.cruzi)抗体が陽性の妊婦は640/2072名(30.88%)、抗体陽性妊婦から産まれた32/640名(5.00%)の新生児が先天性感染シャーガス病と診断された。しかしそのfollow-upは現在17/32名についてなお継続をしている。彼らを取り巻く感染因子は多く、日干しレンガを使用している家屋52/134(38.8%)(Adobe)、土粘土壁41/134(30.61%)と本虫の主要媒介昆虫サシガメTriatoma infestans(T.infestans)に生息しやすい環境を提供していることが明らかとなった。こうした事はT.cruziを高率に保有しているサシガメとの日常的接触を示唆しており、妊娠期間中にT.cruziの繰り返し感染を受け、虫体が胎児へ移行したことも考えられる。一方T.cruzi抗体陽性の慢性感染(潜在感染)妊婦の循環血液内に低濃度ながらT.cruzi虫体は常に存在し、臍帯血を通じて虫体が胎児へ移行した可能性もある。こうした抗体陽性妊婦についてT.cruzi-DNAを証明すべくPCR法を行ったが、他の検査結果と必ずしも一致するものではなくPCR法による診断は本疾患の特性からその臨床診断的意義等については今後の研究に待たねばならない。現時点で本疾患の確実な診断法は臍帯血からの虫体検出Strout法及びxenodiagnosisであると考えられる。T.cruzi抗体陽性者の多くが潜在感染者であることからPCR法の診断意義の確立が待たれる。また、本疾患の循環器障害については殆ど情報がなかったが、今回の調査で先天性シャーガス病と診断された新生児9例のHolter心電図の解析を行い健常児と比べて4/9例に平均心拍数の昂進が見られた(有意差P<0.05)。これらの新たな情報も含めて今後更に詳細な検討を進め、更に現地での本疾患感染予防の対策に助言協力を行いたい。
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