研究課題
国際学術研究
地球温暖化に大きな役割を果たすと考えられる温室効果気体や温暖化に負の作用を果たすエアロゾルの挙動、さらに地球規模の気候形成に大きな役割を果たしている北大西洋海域での海洋循環に研究の焦点を当てた。本研究により、物質交換のメカニズム、現状、近年の変動を明らかにし、地球環境変動の構造解明に貢献した。観測は、北極の海洋圏、大気圏、雪氷圏において1月から3月にかけて関係諸国の研究者との共同研究として実施した。海洋圏における観測は、グリーンランド海において海洋観測船をチャーターして温室効果気体の海洋への吸収を広域に観測するとともに、海氷の成長に伴って生じる高密度な深層水の形成過程を、ロシアの研究者との共同研究として観測した。また、バレンツ海では海洋物理観測を実施し、この海域での深層水の形成過程の観測をノルウェーの研究者との共同研究として実施した。大気圏におけるエアロゾルや雲に関する観測は、スバールバル諸島のスピッツベルゲン島とスウェーデンの北部で気球観測や地上観測により、ドイツとスウェーデンの研究者との共同研究として実施した。雪氷圏での観測は、シベリア高気圧下における物質循環という観点から、ロシアのヤクーツク永久凍土研究所との共同研究として行った。ロシアや中国の北極研究者を招聘し、本研究のまとめや今後の共同研究に関する打ち合わせを行なった。
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