研究課題/領域番号 |
10042001
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | がん調査 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
林 泰秀 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (30238133)
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研究分担者 |
別所 文雄 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (40010285)
LOOK Thomas St. Jude小児研究病院, 教授
SHIMADA Hiro ロサンゼルス小児病院, 教授
小林 美由紀 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60205391)
柳澤 正義 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (90049031)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
1999年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1998年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | 神経芽腫 / 小児悪性腫瘍 / DCC遺伝子 / P19遺伝子 / P16遺伝子 / P73遺伝子 / caspase 3 / P15遺伝子 / 癌抑制遺伝子 / 疫学 |
研究概要 |
今年度の神経芽腫(NB)の検討では、9p領域では、これまで検討してきたp16遺伝子と読み枠のずれたp19^<ARF>遺伝子について検索し、本邦の細胞株17株中2株(12%)にp19の発現の減弱とp16の発現の消失と減弱を、本邦の新鮮腫瘍31例中5例(16%)に発現の異常を認めた。うちp16とp19がともに発現が消失していたものは2例、p19^<ARF>のみ消失は2例、p16のみ消失は1例であった。18q領域では、17領域でLOHを検討し、82例中18例(22%)でLOHがみられた。このうちD18S363とD18S858およびDS18S52とD18S36で共通欠失がみられ、前領域はDCC遺伝子を含んでいたが、Smad2とSmad4は含んでいなかった。この欠失とNBの臨床像との相関はみられなかった。この領域には未知の癌抑制遺伝子の存在が示唆された。1p36領域のp73遺伝子の検討では、NB細胞株22株中3株で発現異常が認められた。新鮮腫瘍30例中14例で発現異常が認められ、本邦でのp73遺伝子の発現異常の頻度は進展例の方が早期例より、また臨床発症例の方がマスクリーニングで発見された例よりも有意に高かった。米国でも同様の検討を行い、進展例で高頻度にみられた。今後マレーシアと韓国の症例でも行う予定である。FISH法で検索した全ての細胞株で、p73遺伝子の片方のアリルの欠失が認められ、LOHは33例中5例(15%)に認められた。(RT)-PCR-SSCPによる変異の検討では、細胞株と新鮮腫瘍のいずれにおいても変異はみられず、サザン法でもホモ欠失と再構成は認められず、p73はNBの発症よりも進展に関与していると思われた。lp36のコスミドよりBACを単離し、BACコンティグを作成し、ホモ欠失のあるNBの細胞株をみいだし、この近傍よりcaspase3の下流にあるDFF45遺伝子のマウスのヒトホモログを単離し、検討を始めた。
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