研究課題/領域番号 |
10042006
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | がん調査 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
岡田 茂 岡山大学, 医学部, 教授 (20033201)
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研究分担者 |
新津 洋司郎 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10045502)
小路 武彦 長崎大学, 医学部, 教授 (30170179)
石川 隆俊 東京大学, 医学部, 教授 (30085633)
THAN Swe ミャンマー国立医学研究所, 所長
秋山 隆 岡山大学, 医学部, 助手 (80294411)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1999年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1998年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 鉄過剰 / 肝癌 / ウイルス性肝炎 / ヤンゴン / ヘモグロビン等電点電気泳動 / 遺伝子検索 / p53変異 / 輸血 / B型肝炎 / C型肝炎 / 供血者 / 鉄欠乏 / ミヤンマー国 / 肝炎ウイルス |
研究概要 |
鉄は発癌と強く関連している。ミヤンマー国においては、サラセミアなどの鉄過剰をもたらす遺伝疾患が蔓延しており、また、肝癌の発生が若年者に多く見られる。鉄過剰がウイルス性肝炎病態の悪化因子であることが判明してきたこともあり、同国において、B、C型ウイルス肝炎の広がりと共に、鉄過剰状態を調査した。 国立ヤンゴン総合病院、国立小児病院で採決を行った。Cは国立医学研究局で行った。肝癌組織の分子病理学的検索は日本で行った。11年度はマンダレー地方の疾病構造に関する調査を行った。 肝癌病患者102名の93%にB型肝炎既往があり、内35%はHBs抗原陽性であった。39%はanti-HCV陽性であり、内79%にHCV-RNAが証明された。肝癌患者28名の内46%はB型肝炎、21%はC型肝炎から発症したものと考えられた。受血者33名の約半数にC型肝炎ウイルス抗体が証明された。供血者にも5.9%に抗C型ウイルス抗体が発見された。 遺伝子検索ではhMTH1遺伝子変異が10例中1例見つかったが、アミノ酸変化はなかった。P53変異は5例見られた。4例はコドン159(エクソン5)のGCCからCCCへの変異でAlaからProへの変化を伴い特徴的であった。 ヘモグロビン等電点電気泳動16例中3例にヘモグロビンA2、1例にヘモグロビンFが見られた。異常ヘモグロビン症の保因者と考えられるが、対象例と頻度は変わらない。鉄過剰は83%にみられた。 マンダレー視察報告:森林を中心とした貧困地帯で、マラリアの蔓延、デング熱の頻発が恒常的である。肝炎の発生症並びに肝癌の発症との関連については、ヤンゴンで見られた状況と大差ないが、輸血と共に麻薬の回し打ちが問題視されており、AIDSとの併発が強く指摘された。 この国ではC型肝炎に関する検索は全くなされていなかった。私達の調査により、他の東南アジアと同じ位の蔓延率があることが判明した。対策に緊急を要する。
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