研究課題/領域番号 |
10044007
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験系心理学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 和生 京都大学, 文学研究科, 教授 (80183101)
|
研究分担者 |
上野 吉一 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (40261359)
板倉 昭二 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助教授 (50211735)
友永 雅己 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (70237139)
FAGOT Joel フランス国立科学研究所, 認知神経科学研究センター, 準研究員
ANDERSON Jam スターリング大学, 心理学部, 上級講師
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1999年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1998年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
|
キーワード | 比較認知 / 知覚的補間 / 素朴物理学 / 主観的輪郭 / 社会的知性 / 顔認識 / 霊長類 / 認知発達 / 比較認知発達 / 初期知識 / 化学感覚 / 乳児 / 視知覚 / 視線認識 / ハト / 生物的運動 |
研究概要 |
本課題の目的はヒトの認知機能の進化を種比較と発達比較により解明することである。藤田はハトと霊長類の知覚的補間過程を分析した。アカゲザルやフサオマキザルでは明瞭な肯定的な結果が得られたが、ハトでは図形が別図形の背後に続いていることすら認識できないことがわかった。マカクザルの認知発達を友永及び協力者・石川、桑畑と共同で分析し、生物的運動の認識に実運動を見る経験が強い影響を与えること、顔認識はヒトと同様に発達すること等を明らかにした。協力者・黒島、増田と共同で、フサオマキザルの自発的な欺き行動を分析し、弱いながらも肯定的な結果を得た。黒島と共同で、フサオマキザルが見ることと何かを知ることの関係を理解できることを示した。スターリング大学のアンダーソン及び協力者・粟津と共同で、大きな報酬を手に入れるために小さな報酬の方に手を伸ばすという自制行動をリスザルが学習し、1年という長期間それを憶えていることを示した。また、アンダーソン、協力者・黒島、桑畑と共同で、リスザルが他者を欺くことを学習できることを示した。協力者・堤は、ニカラグアでマントホエザル乳幼児の遊びの発達を観察調査した。フランス国立科学研究所のファゴット及び協力者・桑畑と共同でギニアヒヒの顔認識に関する実験をおこない、顔部品のうち目が最も重要な要素だが、それは目が顔に埋め込まれた場合に限られることを示した。粟津は、藤田と共同でハトの食物概念獲得と現実の食行動の関係を分析し、ハトが獲得した食物概念はハトの食行動に反映されることを示した。上野はフィラデルフィアのモネル化学感覚研究所において、霊長類の匂い知覚とその発達を分析した。板倉は成人、乳児、チンパンジーの共同注意に関する分析をおこなった。友永は、視覚探索や同時弁別などを用いて、チンパンジーの主観的輪郭の知覚(ファゴットとの共同研究)、顔の方向判断、相対的な数の大小判断を分析した。
|