研究課題/領域番号 |
10044011
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
津波 高志 琉球大学, 法文学部, 教授 (90128489)
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研究分担者 |
後藤 雅彦 琉球大学, 法文学部, 助教授 (30291553)
池田 栄史 琉球大学, 法文学部, 教授 (40150627)
大城 肇 琉球大学, 法文学部, 教授 (90168922)
豊見山 和行 琉球大学, 教育学部, 助教授 (40211403)
鈴木 寛之 琉球大学, 法文学部, 助教授 (00305179)
徳丸 亜木 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (90241752)
金 東栓 済州大学, 人文学部, 助教授
ユ チョリン 済州大学, 人文学部, 教授
全 京秀 ソウル大学, 社会科学学部, 教授
大城 肇 琉球大学, 法文学部, 教授 (10630048)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
23,600千円 (直接経費: 23,600千円)
2000年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1999年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1998年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
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キーワード | 環東中国海文化 / 周辺文化 / 済州文化 / 琉球文化 / '間地方'人類学 / 高麗瓦 / グスク時代 / 朝鮮時代の戸籍 / 豚肉の分類体系 / 済州の家族 / 沖縄の家族 / 祖先祭祀 / 村落祭祀 |
研究概要 |
環東中国海における二つの周辺文化、すなわち琉球文化と済州文化を同時的に捉えることによって導き出された研究成果は、予想どおりと言うべきか、両者を別個に扱ってきた従来の成果とはやはり異なるものである。 たとえば、社会組織分野では、済州における祖先祭祀の分割が、近代になって長男奉祀から変化した事例が多く、また現に変化しつつある事例もあることを明らかにした。と同時に、それとはまったく対照的な変化として祖先祭祀の統合とも名付けるべき現象が奄美で起きていることも報告した(日韓双方の学会で始めての報告)。祖先祭祀の分割も統合も近代になって起きており、そしてまた現に進行中であることを踏まえると、中央文化の残存とか伝統では捉えきれない。むしろ、周辺文化が周辺文化として独自に大きな社会変化ないし外的影響に対応した結果として、あるいは対応しつつある状況として把握することによって、個々の変化を同時に説明することが可能となるのである。 本プロジェクト・チームでは、日韓双方の研究分担者がお互いにカウンター・パートの協力を得て、相手側の異文化・異社会を現地研究することを重視し、研究成果報告書ではその調査の結果をまず提示した。インター・ローカルな研究視点に関して論議を尽くし、それを報告書に収める形にはなっていないが、地域開発の島嶼性、物質文化の日常雑器、地域史の漂流関係、民間信仰の死婚、考古学の島嶼域、口碑文学の場面など、各分野における比較の軸は明示されている。 二つの周辺文化の同時的な把握と比較考察、すなわち間地方人類学の重要性は認識できたが、十分な理論化を図る上で、もう少し事例を増やし、論議を重ねる時間の必要性も痛感している。つまり、可能ならば、あと2年程度の継続研究を願う次第である。
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