研究概要 |
本研究は日本,米国およびインドに分担者を持つ。まずユタ大学においては,日本側研究者は長距離相互作用を持つ量子系に関して,分担者のSutherland教授と研究討論を行った。分担者以外にもEfros教授,Raikh助教授らと低次元電子系の相関効果に関して議論した。またWu教授とは排他統計に関して議論した。インドにおいては,倉本と川上はチェンナイの数理科学研究所でMurthy助教授,Shankar助教授と,長距離相互作用を持つ量子スピン系に関する研究討論を行った。バンガロールのインド科学研究所では,倉本,川上,高橋は分担者のShastry教授と可積分量子模型ならびにフラストレーションのある量子スピン系に関する研究討論をおこなった。 1999年10月にはSutherland教授が来日し,仙台と関西地区にほぼ2週間滞在し,倉本,川上と新しい2次元スピンモデルの可能性につい詳しい議論を行なった。また非専門家を含む聴衆に対して講演を行なった。 2年間の研究で主に1次元及び2次元の量子スピン系,梯子スピン系,相関電子系の系統的な研究を行うことができた。特に2次元系については,最近Shastry教授,Sutherland教授による先駆的な研究に対応する系が実際に発見され話題となっている。我々は,この系を含めて,今後とも共同研究を進める予定である。
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