研究課題/領域番号 |
10044057
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山内 清語 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (10127152)
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研究分担者 |
海野 雅司 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (50255428)
大庭 裕範 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (10176985)
CHAMPION Pau ノースイースタン大学, 物理学科, 教授
LEVANON Haim ヘブライ大学, 物理化学科, 教授
MOBIUS Klaus ベルリン自由大学, 物理学科, 教授
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1999年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1998年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 高周波ESR / 時間分解ESR / 励起五重項 / 励起四重項 / 分子運動 / 二次元ESR / ヘム酵素 / 共鳴ラマン分光 / 励起多重項 / 溶液中の三重項 / 電子スピン分極 / 分子ダイナミクス / イエロータンパク / 励起三重項 / 2次元ESR / パルスESR / ヘムタンパク / 共鳴ラマン |
研究概要 |
磁気共鳴を用いた共同研究は、4つの研究室と行なった。ドイツ・ベルリン自由大学のメビウス教授、イタリア・パドバ大学のコルバジャ教授、イスラエル・エルサレム大学のレバノン教授、ドイツ・フライブルグ大学のコテ教授である。ほとんどの研究室を訪れ、実際に実験、議論を行う完全な共同研究の形をとった。どの教授とも、研究期間内に2度以上会うことができた。 振動分光については、分担者の海野助手が約2週間、アメリカ・ノースイースタン大学チャンピオン教授の研究室で実験を行ってきた。これらの共同研究から、以下の成果が得られた。 1.金属(亜鉛・マグネシウムポルフィリンにニトロオキシドラジカルを軸配位させた系に光照射を行い、時間分解高周波(95GHz)ESRにより初めて励起四重項、励起五重項の存在を確認した。さらにESR信号の減衰から、励起状態は独立して減衰し、励起二重項の寿命は50ナノ秒程度であることがわかった。 2.金属ポルフィリン及びフタロシアニンの励起三重項状態のESR信号を溶液中で初めて観測し、スペクトルのシミュレーションを行った。その結果、ヤーンテラー分裂した状態間と分子運動によるパラメータの平均化を分離して解析することができ、この方法が溶液中の励起状態の電子状態の変化や分子運動の解析に有効であることを示した。 3.励起状態のスピン多重度を決定する二次元パルスESR法を開発し、多くのフラーレン-ビスラジカ系に適用して、すべての系で初めて励起五重項状態の存在を確認した。 4.ヘム酵素チトクロームP450の重要な中間体である酵素結合体の共鳴ラマンスペクトルを測定してFe-O-Oの変角モードを同定し、その振動数から酵素の特異性を見出した。
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