研究課題/領域番号 |
10044060
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
祖父江 義明 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10022667)
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研究分担者 |
出口 修至 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (20197825)
尾中 敬 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (30143358)
中田 好一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80011740)
長田 哲也 名古屋大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80208016)
関口 和寛 国立天文台, 光赤外線天文学研究系, 助教授 (20280563)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1999年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1998年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 銀河中心 / 銀河バルジ / 銀河回転曲線 / 長周期変光星 / SiOメーザー源 / Sioメーザー源 |
研究概要 |
本年度は昨年度に引き続き、南アフリカ天文台における光学赤外観測と野辺山宇宙電波観測所における電波観測を中心として、研究課題である銀河系中心領域の動力学的構造の解明にあたり大きな成果を上げることができた。 祖父江は本間その他と野辺山ミリ波干渉計を用いて60銀河のCO輝線観測を行い、銀河中心部の高分解回転曲線を得た。その結果、銀河中心部に半径100パーセク程度の高密度質量コアが存在することが明らかとなった。また、国立天文台岡山観測所での水素アルファ輝線観測と東大木曽観測所における近赤外観測から銀河中心部の質量光度比の詳細な分析を行い銀河内暗黒物質の分布が半径により大きな変動を示すことを見出した。中田、出口、長田は銀河系中心約500パーセク領域内の質量放出星からの一酸化珪素電波輝線観測を実施し、銀河系バルジの運動に非円軌道成分を発見した。この発見は銀河系内部での非軸対称な物質分布を示唆するものである。南アフリカ天文台においてはグラス、中田、田辺、長田により銀河系中心数百パーセク域の長周期ミラ型星の赤外変光観測が続けられ約200の変光曲線を完成させた。これらの変光星の恒星進化上の位置を探るために、田辺、中田、関口は南アフリカ天文台で撮られたマゼラン雲赤外線星の変光を調べ、それらの周期光度関係を確立し、さらに質量1.5-2太陽質量の星の最終進化のタイムスケールを決定した。 以上の研究により、ほぼ全ての銀河は中心部に稠密な物質コアを持ち、中心部の動力学には暗黒物質の分布が深く関与していること、さらに銀河系中心付近に存在する質量放出星の運動から物質分布の非軸対称性が想定されること、それら質量放出星の恒星進化の様子等の深い知見が、日本と南アフリカでの観測から得られた。
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