研究課題/領域番号 |
10044066
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三浦 登 東京大学, 物性研究所, 教授 (70010949)
|
研究分担者 |
長田 俊人 東京大学, 物性研究所, 助教授 (00192526)
松田 康弘 東京大学, 物性研究所, 助手 (10292757)
DURAK A.S. New South Wales大学, 助手
CLARK R.G. New South Wales大学, 教授
中川 宏之 日本学術振興会, 特別研究員
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | メガガウス / 超強磁場 / 輸送現象 / 電磁濃縮法 / 上部臨界磁場 / 酸化物高温超伝導体 / 量子現象 / ストリップライン / 高温超伝導体 / 酸界磁場 |
研究概要 |
本研究は、従来進展してきた物性研究所とシドニーのNew south Wales大学の間の強磁場物性に関する協力関係を基礎に協力して、マイクロ波伝導測定技術と超強磁場技術を組み合わせて、YBa_2Cu_3O_<7-δ>など興味ある試料についての超強磁場下輸送現象から新しい量子現象を探求することを目的としている。この2年間の間にオーストラリア側の研究者が物性研究所に来所してマイクロ波システムを一巻きコイル法による超強磁場中で使用し、YBa_2Cu_3O_<7-δ>については、磁場がc軸に垂直な場合についての上部臨界磁場の温度依存性を求めた、Dirac SeriesにおけるT=1.5Kのデータと併せ、臨界磁場と温度の相図を作製することに成功した。その結果は予想した通り、従来の超伝導に関するものとは非常に異なり、強磁場下でスピン分裂が顕著な場合に現れるFFLO状態が実現していることを示唆するものであった。一方、磁場がc軸に平行な場合には、直流伝導測定によって、従来のWWH理論によってほぼ説明される特性が得られていることがわかった。 さらに輸送現象と並んで超強磁場中の量子現象を測定するのに有用な手段である磁化測定を行うために、微細なピックアップコイルシステムを開発した、New south Wales大学のナノ構造研究施設の施設を用い、電子ビーム露光技術によって、非常に精度高くまた微細な構造を作製することができた。物性研究所側の研究者がシドニーの施設に出向き、実際に微小ピックアップコイルを作製した。このコイルを通常の配置とは異なり、コイル面が磁場と平行になるようにセットすると信号の中の外部磁場による成分の除去が完全になり、きわめて感度よく磁化を測定できることがわかった。そして現地のパルス強磁場施設によって強磁場下でMn酸化物など磁性体の磁気相転移を測定したが、ノイズの非常に少ない美しいデータが得られることが明らかになった。このシステムを駆使して実際の研究に役立てるのは今後の課題であるが、超強磁場下の磁化測定に新しい方法を切り開いたという点できわめて大きな成果ということができる。
|