研究課題/領域番号 |
10044083
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北岡 良雄 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (70110707)
|
研究分担者 |
鄭 国慶 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (50231444)
三宅 和正 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (90109265)
天谷 喜一 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (80029503)
石田 憲二 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (90243196)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1999年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1998年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
|
キーワード | 重い電子系 / 高温超伝導 / 量子臨界点 / 反強磁性・異方的超伝導転移 / 新超伝導発現機構 / 超高圧誘起超伝導 / d波磁束 / スピンギャップ / 反強磁性・異邦的超伝導転移 |
研究概要 |
平成10年度の研究成果 1.「高圧・極低温・高圧下での重い電子系物質の研究」 石田らはCe_xCu_2Si_2系が常圧で異方的超伝導-反強磁性転移が起こることを示した。またメタ磁性を示すCeRu_2Si_2系の重い電子状態の強磁場特性を明らかにした。三宅は重い電子系Ce化合物が高圧下(3GPa)で急激に超伝導転移温度が上昇するのは「Ceの価数揺動現象」に起因するとの理論的な提案を行った。 2.「強磁場下の高温超伝導物質の研究」 鄭らは軽ドープ域の高温超伝導物質について強磁場下での磁束の性質およびスピンギャップ相の磁場変化の研究をG.Clark(アメリカ)と共同で行った。フロリダ大学強磁場実験施設の世界最強定常磁場(24テスラ)を利用したNMR研究を行い、d波の磁束状態についての詳しい知見を得た。また24テスラの磁場で超伝導転移温度は減少する一方、スピンギャップを示す温度は全く温度変化しないことを明らかにした。 平成11年度の研究成果 1.「高圧・極低温・高圧下での重い電子系物質の研究」 石田らは、異方的超伝導-反強磁性転移が常圧で起こるCe_xCu_2Si_2系の加圧下の研究を行い、x=0.99で観測された異常磁性が僅か2キロバールの圧力によって抑制され、x=1.00と同様の異方的超伝導特性を示すことを明らかにした。ドイツ側から研究分担者C.Geibel氏を招へいし、NMRの研究結果とドイツ側の研究成果の情報交換、および討論を行った結果、均一なCeCu_2Si_2は量子臨界領域にあることを結論した。さらにSiをGeで置換した系に関して研究協力者O.Trovalleli氏との共同研究によって、超伝導と反強磁性がミクロに共存していることを明らかにした。 CeIn_3の高圧下による研究によって超伝導が発現する圧力(P=2.4Gpa)でも反強磁性状態にあることを明らかにした。 2.「強磁場下の高温超伝導物質の研究」 研究分担者の鄭は僅かに過剰ドープ領域にある高温超伝導物質について強磁場下での磁束の性質および擬ギャップ相の磁場変化の研究をG.Clark(アメリカ)と共同で行った。フロリダ大学強磁場実験施設の世界最強定常磁場(28テスラ)を利用した研究と詳細な磁場変化によるNMR研究からスケーリング則を見い出し、過剰ドープでの擬ギャップは超伝導ゆらぎによるものであることを確定させた。平成10年度に明らかにした軽ドープでの結果と合わせて、高温超伝導体で問題となっている擬ギャップの機構を理解する上で重要な実験結果を提示できた。
|