研究分担者 |
久保田 雅久 東海大学, 海洋学部, 教授 (90147124)
川村 宏 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40169769)
福田 洋一 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30133854)
市川 香 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (40263959)
江淵 直人 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10203655)
CHALLENOR P. サウサンプトン海洋センター, 部門主任
大江 昌嗣 国立天文台, 教授 (00088783)
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研究概要 |
人工衛星に搭載したマイクロ波海面高度計は,海面の高さを数センチの精度でグローバルに観測できる測器であり,そのデータは海洋と固体地球の力学に関する研究において極めて有効であると考えられている.本研究では,海洋物理学者と固体地球物理学者が互いに緊密な連携を取りながら研究を行うことを目指した. 昨年度は米国で,今年度は仏国で開かれた衛星海面高度計TOPEX/POSEIDONとJason-1の科学検討チームの合同会合に,研究代表者と分担者延べ8名を派遣し,海面高度計に関連した本研究グループの研究成果を披露するとともに,国際的な最新の研究情報を得た.昨年度は福岡で,今年度は東京でメンバーの多くが参加した研究集会を開催し,衛星海面高度計データの処理や解析法に関する情報交換を行った.この集会に合わせて,英国と豪州の海外共同研究者各1名を招請し国際的な共同研究の促進を図った.その成果を集会の報告書としてまとめた.また,2年間に米国と仏国の海外共同研究者計4名を招請し,各地で打合せ会を開催して情報交換を行った. これらの活動を通じて以下の成果が得られた.(1)海面高度計データを,現場の海洋観測データと組み合わせることによって,日本南岸における黒潮の流量の長期にわたる連続記録が得られた.(2)同様に現場の海洋観測データを併用することによって,親潮の流速や流量の変動,および北太平洋の広域の海面流速場の変動の様子が明らかになった。(3)海面高度計データを,海洋の大循環数値モデルに同化し,力学的に整合性のある観測データに編集する方法の開発が進んだ.(4)海面高度計データの解析によって海洋潮汐の日周潮および半日周潮の精密が向上し,かつ長周期潮に関する研究や摩擦による潮流の減衰に関する研究も始まった.(5)海面高度計データを用いた海域重力場決定精度の見積もりや,海洋変動と地球重力場変動の関係などについての研究も進展した.
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